私が小学6年生のとき、叱るのが上手な佐々木先生という女性教師がいました。
小学生のころは、あらゆる先生から叱られましたが、佐々木先生の叱り方だけは違いました。
いまだに深く記憶に残っているくらい、印象的な叱り方です。
どのような叱り方かというと「長い沈黙」があります。
「なぜこんなことをしたの? (長い沈黙)次からどうすればいいと思う? (長い沈黙)次からはきちんとできますか?」
くどくどいうお説教ではありません。
お説教がしばらく続いた後、ふと沈黙になります。
それも、妙に長い沈黙です。
5秒や10秒のような短時間ではありません。
30秒や1分。
時には、3分くらい沈黙があるときもありました。
3分もあれば、カップラーメンができてしまいます。
ときどき、沈黙があると、叱る効果が倍増します。
静まり返った時間が、考える時間になるからです。
お説教を受けていると、次々と話を聞いているので精いっぱいです。
考えたり、理解したり、反省したりする余裕がありません。
しかし、沈黙になると、余裕が生まれます。
「自分の悪かったところはどこだろうか」
「次からはどうすればミスを防げるだろうか」
「迷惑をかけて悪いことをしたなあ」
沈黙の時間があることで、子どもは落ち着いて深く考えられるようになります。
お説教と言えば、叱る側が次々と話をすることが多いです。
しかし、沈黙の時間があると考える時間になります。
反省の言葉を言う時間もタイミングも増えます。
子どもの反省を促すためには、長い沈黙が効果的です。
叱っている最中に、あえて静かになる時間を作ってみましょう。
子どもは落ち着いて、反省ができるようになるのです。