子どもが花瓶を落として割った。
それに対して親が怒る。
こんなとき、親であるあなたなら、どんな言葉を口にしますか。
「こら。何をしているの!」
「その花瓶は高いのにどうしてくれるの!」
高価な花瓶を子どもに壊されると、やはりそういう言葉が出てしまいます。
いえいえ、違います。
大切な一言が抜けています。
「大丈夫?」という子どもを心配する言葉です。
値段の高い花瓶を割られると、親の注意は子どもより、花瓶に目を向けがちです。
花瓶を割って叱られると、子どもは「自分より花瓶のほうが大切なんだ」と思います。
花瓶より存在価値が下と感じることほど、大きなショックはありません。
親の注意が、子どもより花瓶に向いているからです。
子どもはトラブルのときこそ、心のどこかで「心配されたい」と思っています。
花瓶が割れたら、親はいきなり叱るのではない。
それより、けがをしていないか気にすることが大切です。
子どものことを本当に大切に思っているなら、当たり前にできるはずです。
花瓶はまた買えば済む話ですが、子どもが大けがをしたら、一生の傷が残るかもしれません。
もし叱るなら、けがをしていないことを確認してからの話です。
まずかけるべき言葉は「大丈夫? けがはない?」という案ずる言葉なのです。