私が話を進めるうえで、いつも「誰にでもわかる話し方」を心がけています。
誰にでもわかる内容と、誰にでもわかる言葉を使う話し方は、常に夢です。
今もできていない部分があり、現在も修行中です。
その理想は死ぬまで追いかけています。
しかし、これがなかなか難しいです。
自分が知っていることですから、話をするときについ専門的な用語で話をしてしまいがちです。
たとえば、ニュースで「A」という出来事を知ったとします。
ニュースになるくらい大々的になっていることだから、ほかの人も当然知っているだろうと思います。
つい、当たり前のように話しがちになります。
ほかの人が「A」というニュースを知っているとは限りません。
常に自分と相手とのギャップを埋めるのが、スムーズなコミュニケーション術です。
ニュースに限らず何でもそうです。
IT業界の人は、いつもITに接しているので、ハードウエアやサーバーのような専門知識が、基礎知識だと勘違いしてしまいます。
ほかの誰もが知っていると思い込んでしまいます。
医療関係に勤めている人は、医学や病院の状況など当たり前に目にしているので、誰もが知っていると思い込んでしまいがちです。
スポーツ関係の仕事をしている人は、どこの国はどんなスポーツが強いのかも一般常識だと決め付けてしまいがちです。
自分が知っていることは、誰もが知っているだろうと勘違いをしてしまいます。
専門的な知識を、さも当たり前のように口にしてしまいます。
相手が話についてこられなくて、場が白けるときがあります。
専門的な用語で専門的な内容では、相手も話についてこられるはずがありません。
これは口で言うのは簡単ですが、難しいです。
私の場合は、校正を担当している方に「意味のわかる内容ですか。わからなければ言ってください」とお願いをしています。
自分以外の他者に読んでもらうというのは大切です。
専門的な話になっていないか。
著者にしかわからない話になっていないか。
わかりにくい話し方になっていないか。
他人に見てもらうようにしています。
自分が話を始めるときに「自分が今しようとしている会話は、相手にわかる内容かな」と考えるだけでも違います。
ワンクッションを置いて、考えてから話し始めるだけでも、だいぶわかりやすい内容になるでしょう。