知識を受け入れるためには、まず土台が必要です。
その土台とは、理解です。
理解をしていないと、知識はざるですくっているかのように、残らず落ちてしまいます。
逆に、理解という土台がしっかりしていれば、知識も覚えやすくなります。
物覚えがいい人は、まずいきなり暗記をする前に、理解から始めます。
理解とは、クモの巣のようなものです。
理解という網の目に知識が引っかかるようになり、覚えやすくなります。
たとえば、歴史を勉強するときには、人の名前や年号を覚える前に、まず歴史の流れを理解します。
歴史の流れを理解していれば、人の名前や年号が覚えやすくなります。
料理の手順を覚えるときも、同じ要領で覚えましょう。
たとえば、カレーを作るときに、鍋に具を入れる正しい順番があります。
最初にニンジンを入れて、続いてジャガイモ、お肉、タマネギの順番で入れます。
この順番を、そのまま覚えるのは、賢い覚え方とは言えません。
「なぜこの順番で鍋に入れるのか」という意味の理解を優先します。
料理の先輩である母親に聞けば、すぐ理由を知ることができることでしょう。
理由は、具全体にバランスよく火がとおり、おいしいカレーを作るためです。
火がとおりにくい具ほど先に入れて、火がとおりやすい具ほど最後に入れていることに気づきますね。
この意味を理解していれば、順番を覚えるのは容易になるはずです。
意味さえ理解でき、基本を押さえておけば、料理の応用ができるようになります。
新しい具を入れることになっても「火がとおりにくい順番から」という基本を押さえておけば、どんな具が登場しても怖くありません。
うっかり忘れることがあっても、意味さえ理解していれば、思い出すのはすぐできるのです。