サプリメントで栄養を摂取している人がいます。
食事をして、そのうえでどうしても足りない栄養分を補うという補助的な目的で、サプリメントを摂取するのはいいでしょう。
しかし、ダイエットのような理由から、食事はしないでサプリメントを中心にして食生活を送るのはよくありません。
サプリメントが中心になると、栄養バランスが大きく偏るからです。
健康のためには「このビタミンさえ取ればいい」というわけではありません。
たとえば、カルシウムが足りないからと、カルシウムばかりとっても、うまく補うことはできません。
カルシウムが吸収されるためには「CPP(カゼインホスホペプチド)」や「ビタミンD」もあわせて摂取することが必要です。
CPPの作用で溶けやすい状態を作り、ビタミンDによって腸からの吸収率を高め、カルシウムは吸収され、体に生かされます。
人が1人では生きていけないように、栄養もそれ単体では効用を発揮しません。
相互の栄養が、働きを助長し合って、初めて効果が現れます。
どのビタミン・ミネラルも大切で、要は「バランス」です。
バランスを無視した摂取は、逆に体の調子を狂わせてしまいます。
長寿のために、これといったサプリメントはありません。
旧厚生省が1985年に発表した「健康作りのための食生活指針」での健康スローガンは「1日30品目」が理想とのことです。
さまざまな食物をバランスよく摂取することで、栄養の偏りを防ぎ、生活習慣病の防止にもつながります。
最初から挑戦するのは困難ですが、できるだけ理想に近づけるように、さまざまな食物を口にする食生活を心がけましょう。
それぞれの栄養バランスが釣り合ってこそ、栄養の効果が映えるのです。