所有とは、持てば持つほど、可能性が広がります。
生活も、恋愛も、仕事も、人生もです。
しかし、です。
自由にばかり目が向いて、付随する不自由に気づいていない場合があります。
物を持つとは、自由を手に入れる反面、不自由を手に入れることもあるという話です。
場合によっては、手に入れられる自由の量より、不自由のほうが多い場合があります。
物を買うときには、そうした両面から見て、よく考えることが必要です。
たとえば、家の購入です。
「一家一城のあるじ」というキャッチコピーに自尊心がくすぐられ、何十年にもわたるローンを組む人がいます。
家庭を持てば、家を持つのが当然だと言わんばかりのキャッチコピーです。
たしかに一軒家を持てば、さまざまな自由が手に入ります。
内装は自由にできますし、ペットも自由に飼うことができるようになります。
「家を持つのが人生の夢」という人もいるでしょう。
しかしローンを組めば、ほかの制限が増えることも事実です。
ローンは借金です。
大きな借金を返すために、重い責任がのしかかります。
ローンに縛られると、仕事を辞めたくても、辞められなくなります。
遠い郊外から通うことになれば、満員電車に長時間耐えなければならなくなります。
引っ越しをする自由も奪われます。
将来は何があるかわかりません。
仕事の都合で転勤する可能性もあるでしょう。
地方へ飛ばされることになるかもしれませんし、海外勤務になるかもしれません。
不動産を所有していると、動きたくても動きようがないのです。
ご近所との人間関係が悪くなっても、逃げることができません。
これをどう受け止めるかは、人によります。
自由だと思っていることは、裏を返せば、実は不自由である場合があります。
「一国一城のあるじ」というキャッチコピーにわくわくすることはあっても、踊らされないこと。
本当に必要かどうか、きちんと見極めることが大切です。