本当に心が豊かになるお金の使い方とは、物を手に入れるために使うのではありません。
物を手放すために、お金を使うことです。
所持するのではなく、手放してその分自由を手に入れることに使うことです。
大きな家より賃貸のほうが、引っ越しが簡単にできるため、自由が手に入ります。
精神的にも気が楽です。
修理代も大家が支払ってくれるため、金銭的にも助かります。
高級外車を所有すると、ガソリン代や車検にお金がかかります。
修理をするとはいえ、部品を海外から取り寄せなければならないため、時間もお金もかかります。
また誰かにぶつけられたり、傷つけられたりするのではないかという不安が、いつも頭にあり、余裕がありません。
電車なら、ガソリン代も車検も気にすることはありません。
自分で運転をする手間すら省けて、自由ができます。
高級のブランド品にしろ、持てば持つほど手放したくなくなるという執着が生まれ、物に縛られることになります。
にもかかわらず、日常ではめったに使いません。
「高価な物だから壊してはいけない。汚したくない」という心理が働き、なかなか使おうとしません。
使っていないからとはいえ、捨てたくても捨てることができません。
高級で金額が高かったため、もったいなくて、捨てられないのです。
部屋の中にどんどんとたまっていき、物置状態になっていくという結末が待ち構えています。
当然部屋のスペースをとられ、掃除の手間も増えます。
スペースにしろ、時間にしろ、何かを持てば持つほど、余裕がなくなるのです。
本当にこうしたお金の使い方が、心が豊かになっているお金の使い方だと言えるでしょうか。
とんでもない話です。
使えば使うほど、どんどんと自由が奪われ、時間も奪われ、余裕がなくなります。
では、どうお金を使えばいいのでしょうか。
手放すことに、お金を使えばいいのです。
何かを所有するためにお金を使うのではなく、手放すことにお金を使えば、自由と余裕が手に入り心が豊かになります。
家も一戸建て30年のローンを組むのではなく、賃貸にすればいざというときに自由に引っ越しが可能です。
車をもたなくても、電車で事足りるなら、そうしたほうがいいのです。
ガソリン代を気にする必要も払う必要もなく、運転のためにハンドルの前に縛られることもなくなります。
交通事故の危険も、うんと減ります。
電車なら、移動しながら雑誌も読めるし、酔っていても飲酒運転で捕まることはありません。
高級なブランド品をもたなければ、ジュースをこぼして汚れたとしても「また買えばいいか」と開き直れます。
もつより、もたないほうが、気が楽です。
精神的な余裕ができます。
これが心を豊かにするお金の使い方です。
心を豊かにするお金の使い方とは、お城の中でドレスを身にまとい、多くの執着に縛られる生活を送ることではありません。
賃貸やレンタルといった必要なときに借り、何も持っていないという生活のほうが、縛られることがないため心が軽くなるのです。