仕事を依頼されてから着手するまでの時間に注目です。
それぞれ比べると、仕事の着手はA君のほうが早いとわかります。
50分の時間差があるため、2人の仕事能力が同じなら、完了はA君のほうが早くなるはずです。
こうして客観的に見ると差は歴然ですが、実際はいつの間にかB君のように、なかなか着手しない状況があります。
上司に仕事を依頼されて「はい、わかりました」から引き受けたものの、なかなか着手しないことが多いのです。
大切なのは「いかに着手を早くするか」です。
もちろんすでに対応中の仕事があって着手が遅くなる場合もありますが、安易な理由で着手が遅いことがあります。
「午後から取りかかろう」
「休憩を入れてから取りかかろう」
「腹ごしらえをしてから取りかかろう」
いろいろな理由をつけて、仕事の着手が遅くなっていることが少なくありません。
仕事をするのがおっくうなので、わざと理由を作って、先延ばししている状況もある。
仕事を後回しにしているうちに、仕事そのものを忘れていることすらあります。
そのうち上司から「あれはどうなった?」と聞かれて、焦ることになるのです。
仕事は、処理のスピードばかりに気をとられてはいけません。
早く完了させたいなら「処理のスピード」より「着手のスピード」を上げることです。
着手が早ければ早いほど、完了も早くなるのです。
「よし、A君のように10分で着手しよう!」
そう思ったあなた。
実は、A君もまだ十分早いとは言えません。
A君の場合、依頼されてから10分で着手しました。
もちろん着手に1時間かかったB君より一回り早くて良いのですが「10分のタイムロスが発生している」と言えます。
理想は「0分の着手」です。
依頼された瞬間に取りかかるのがベストです。
すでに対応中の仕事があって、すぐ着手できない場合もあるでしょう。
優先順位の関係から今すぐ着手できないことがあるのは仕方ありません。
そんなときは、上司に「今対応中の仕事が終わってからでよろしいでしょうか」と一言伝えておくと安心です。
惰性や怠慢で着手が遅いわけではなく、きちんと事情があることを伝えておけば、理解を示してくれるでしょう。
いつまでに終わらせられるかも伝えておけばパーフェクトです。
着手のスピードを上げることが、結果として仕事のスピードを上げることにもなるのです。