私は、その人の行動を見れば、その人がどういう人なのかがおおよそわかります。
超能力者ではないため、生年月日や細かなことを当てることはできませんが、行動を見ていれば「人となり」が見えてくるのです。
というのも「行動」というのは、その人の「心」と「過去」が映し出された結果だからです。
人間が行動に出る前には、実は次のような段階があり、最終的に行動へと表れます。
「過去→心→言葉→行動。」
どんな人間でも、行動の前には必ず言葉があり、言葉の前には必ず心があります。
たとえば旅行をしたいと考えている人は、まず心の中で「遠くに出かけたい」と心の中で思います。
言葉として「アメリカに行きたいな」「サンタモニカを見たいな」と口にするようになります。
最終的に、旅行会社へと出向くことになり、実際に旅行へと出かけます。(行動)
行動の前には言葉が存在し、言葉の前には心が存在しているのです。
ここからが肝心です。
実は心の前には「過去」が存在しているのです。
そもそもよく考えてみればわかることです。
先ほどの旅行の例でも「遠くに出かけたい」と思うようになったのは、なぜでしょうか。
ある日、突然意味もなく「遠くに出かけたい」と心の中で湧き出ることはありません。
何か原因があって、そう心の中で思い願うようになったはずです。
その原因が「過去」です。
たとえば「仕事でストレスがたまり気分転換したい」「人間関係に苦労している。現実逃避したい」。
そんな過去があり、結果として「遠くに出かけたい」と心の中で思うようになったのです。
すべての行動には、必ず何かの理由があります。
行動はその人が心で思った結果です。
結果という「行動」を見て、原因をたどっていけば、おのずから「心の中」も見え「過去」も見えてくるようになるのです。
なぜこういうことを私が知っているのかというと、私がこうした経験を実際にたくさんしてきたからです。
私は以前に留学という経験があり、アメリカにわたって勉強をしたことがあります。
しかし、そのときはアメリカに行きたい気持ちと、家を出たい気持ちがありました。
恥ずかしい話ですが、私は家族から離れて、1人になりたいと思っていました。
私の母は大変面倒見がよく、私に対して過保護で接してきます。
本当は私がしなければならないことを「息子のためを思って」と全部母が代わりにやってしまいます。
もちろんそれはそれでとても助かりました。
しかし、あまりに助かりすぎるため自分の成長が小さく、1人では何もできないということに気づいたのです。
その反動が「家を出たい!」という強い気持ちとして表れました。
私は当時「留学をしたい」と親に言いましたが、今だから言える本音は実は「家から出たい」という一言に尽きるのです。
もちろん当時はそんなことは言えません。
家の外に出るにはお金もいるし、それなりの協力や援助も必要です。
「英語の勉強をしたい」「文化を学びたい」といういろいろな理由をつけて「家を出ること」に成功したのです。
人間には「過去→心→言葉→行動。」があると言いました。
私のアメリカへ留学する「行動」の前には「留学したい」という言葉があり、言葉が出る前には「外に出たい」気持ちがありました。
そもそも「外に出たい」という心になぜなったのかというと、私の過去に親からの過剰な保護があったからです。
私がこうしたことを経験してきただけに、ほかの人の行動を見ていると「心」が見え「過去」がうっすら見えてくるのです。
「なぜ、そんな行動に出るのかな」
「なぜ、あのようになったのだろうか」
行動には必ず理由があり、必ず過去が関係しているのです。