本屋に行けば、整理整頓についての本をたくさん見かけます。
「上手な整理の仕方」
「片付けるためのポイント集」
きれいに整理整頓するための本をたくさん見かけます。
しかし、どの本も本当に大切なところが抜け落ちています。
「捨てること」です。
整理整頓も片付けも、一言で言ってしまえば「捨ててしまうこと」です。
考えてもみましょう。
たとえば、整理整頓をするのは、ごみ箱の中のごみをきれいに整えるというような感じです。
ごみ箱の中のごみは、いくら整理整頓してきれいにしたところで、ごみであることには変わりません。
たしかに見た目はきれいになり、いくぶんすっきりはするでしょう。
しかし、そもそも中に入っているそのものがごみであり、必要のないものです。
使いもしないし、役にも立たないものです。
いくらきれいに整えたところで、やはり、ごみはごみなのです。
本当にすっきりするためには、まずごみはごみ捨て場へと持っていき、ごみ箱の中を空っぽにすることが必要です。
捨てることこそ、整理整頓の基本です。
「ごみ箱」という例を出しましたが、実はあなたの生活にも当てはめることができます。
少し大胆ですが、あなたの部屋を1つのごみ箱と考えてみましょう。
実際にあなたの部屋の中には「ごみには見えないごみ」がたくさん隠れています。
たとえば、本棚に並んでいる読みもしない本たちです。
一度読んだ本は「また読むかもしれない」と思い、とっておきます。
また新しい本を読むと「またいつか読むかもしれない」と思い、本棚にしまいます。
しかし、現実としては、とっておいた本をもう一度読むことはありません。
ごみなのです。
本とはいえ、今後読むことがなければ、部屋の中においても意味がありません。
一見すると、きれいな本であるため、ごみだと考えることもありません。
これが、整理整頓の難しさです。
苦労するのは、人間の「もったいない」という心が邪魔をして捨てられないことです。
もったいないと思うほど、ごみには見えないごみが、部屋の中にどんどんたまります。
こうしたごみには見えないごみが、本来あなたが整理整頓をするときに1番目を向けるべきことなのです。
ごみはいくら整理したところで、ごみはごみです。
きれいに片付けたり整理したりすることで、ごみには見えないようになりますが、根本的な問題解決にはなっていません。
実際にあなたがきれいに整理整頓をする能力を身につけるほど、ごみをごみとは思わせないようなテクニックに磨きがかかります。
その結果、余計にごみがたまっていく悪循環に陥ります。
整理整頓のプロになる必要はありません。
整理整頓のコツは、シンプルです。
「使わないものは捨てる」
まずここから出発です。
整理整頓の前に、まず考えるべきことは、いらない物は捨てることなのです。