本当に物に対する感謝を持てば、物を持つことに執着はなくなります。
この世において、あなたの物は1つも存在しないからです。
あなたが持っている本棚も机もテレビもビデオもすべて、あなたが作ったものではなく、宇宙が作ったものです。
あなたは自分で自分の心臓を作ったわけではありません。
自分で心臓を動かしているわけではありません。
人が地球を動かしているのではなく、宇宙が地球を動かし、地球の上に人間が生きているのです。
宇宙と地球と人間に境界線はありません。
それぞれが別個として存在しているわけではなく、この世には宇宙しか存在しないのです。
宇宙の中に銀河系があり、銀河系の中に太陽系があり、太陽系の中に地球があり、地球の中にあなたがいます。
これらに区切りや境界線があるわけではなく、すべてが一続きであり、1つの塊なのです。
それを人が勝手に名前をつけたことで、別の実体である錯覚を生み出しています。
私も宇宙の一部です。
あなたも宇宙の一部です。
宇宙とあなたとの間に区切りがあるわけではなく、宇宙の中にあなたが含まれているのです。
あなただけではありません。
机やビデオやテレビも本も家も山も海も、すべて宇宙の一部です。
名前がついているからと、境界線が引かれているのではなく、人間が勝手に「一定の塊」に名前をつけているだけです。
本当は宇宙の中に地球があり、地球の中にあなたも私も机もテレビも山も海も存在しています。
にもかかわらず、宇宙と机は別の実体だと思っていることで、おかしな執着を生み出して意識のバランスを崩しているのです。
たくさんの物を持とうとする所有欲を満たしたところで、宇宙の中の一部が、一部を独り占めしていることに変わりはないのです。
あなたが何かを所有しているわけではなく、ただ自分のそばに置いているだけで、あなたの物だというわけではないのです。
あなたと物との間に境界線などなく、実体としては同じ宇宙であることに変わりはありません。
この世に存在していることは、それが感謝すべきことなのです。
この世(宇宙)は、そのものが1つです。
その中に、銀河系が含まれ、太陽系が含まれ、地球が含まれ、人が含まれているのです。
自分が自分を作ったのではなく、宇宙があなたを生み出したのです。
人間は自分の力では1つも作り出すことはできません。
ハイテクを駆使しても、人間は人間を作ることができません。
おなかの中にいる目に見えないほどの小さな大腸菌1匹すら作ることができないのです。
宇宙があなたを作り出し、心臓を動かし、大腸菌を生み出しています。
そのたくさんの組み合わせの中で、あなたは「生かされている」のです。
あなたを生み出したのはあなたの両親ですが、あなたの両親を生み出したのは、その親です。
どんどんと遡れば、地球に行き着き、太陽系に行き着き、銀河系に行き着き、宇宙に行き着きます。
すべての生みの親は、宇宙なのです。
私たちは、何も作ることはできません。
この世に存在している「組み合わせること」によって新しい物を作った錯覚に陥っているだけです。
この世に存在しているその事実こそが、感謝の塊です。
宇宙全体から見れば、あなたも私も家族も机も電話もすべてが全体として宇宙という「1つ」です。