掃除で一番大変なのは何でしょうか。
掃除をすることではありません。
始めるまでが大変なのです。
押し入れを開けるのが面倒です。
掃除機を取り出すのが面倒です。
コードを引っ張って、コンセントにプラグを差し込むのが面倒です。
どれもちょっとしたことなのですが、小さなことも積み重なると大きくなります。
「面倒だなあ」と思うことで悪い暗示がかかり、ますます面倒な気持ちが強くなるばかりです。
始めるまでに「よっこいしょ」というプロセスがあり、心理的抵抗があるのです。
しかし大変なのはここまでです。
いったん掃除を始めてしまえば、後はすいすい進みます。
掃除をしているうちに掃除のスイッチに火がつきます。
やればやるほどきれいになるので、だんだんテンションが上がって楽しくなります。
「ここも掃除しよう」「ついでにあそこも掃除しよう」となってモチベーションが続きます。
疲れるどころか、元気になる。
掃除をしている間は目の前のことに集中するので、嫌なことも忘れられます。
もはや途中で掃除を止めるほうが難しくなります。
気づけば、すっかり部屋がきれいになっているのです。
掃除を始めたら、半分は終わったも同然です。
掃除で一番大切なのは、取りかかることです。
大切なことは、この法則を頭に入れておくことです。
「そういうもの」と思うだけでいいのです。
あらかじめわかっていれば、取りかかるのがおっくうでも違います。
面倒な気持ちがあっても「いつものことだね」とわかっていれば、ストレスに対する感じ方がポジティブになります。
「始めるまで大変なんだよね。始めてしまえば後は楽だよね。いつものパターンだね!」
そう思えば、重い腰もさっと上がります。
あらかじめわかっているだけでも、心理的抵抗は小さくなるのです。