アメリカでは日常からよく握手をします。
私がアメリカに留学していたときも、本当によく見かけることができた光景の1つでした。
初めて会ったときや感謝をするときなど自分の気持ちを大きく伝えたいときにスキンシップをすることで、効果的に伝えます。
もちろん仲直りのときにも握手で仲直りをします。
仲直りをするから握手をするのではなく、握手をするから仲直りができていました。
握手とはスキンシップを取ることです。
仲が悪くなれば顔も見たくないと思いますが、まず握手をすることで、気持ちに変化が現れます。
実際のいざこざとは裏腹に、握手というスキンシップを取ることで何だか気持ちに一段落ついてしまうのです。
私がアメリカに留学していたころ、まず始まりはホームステイからでした。
初めて経験する異国でしたから、ホームステイのほうが何かと助けてもらえるだろうと思って始めたのですが、これが大変でした。
当然、文化が違います。
食事も笑いの感性も違い、コミュニケーションがうまく取れませんでした。
ホームステイを、当初は3カ月続ける予定でした。
しかし、私のコミュニケーション不足によって家族との間で仲が悪くなり、1カ月で終えてしまうという痛い経験があります。
すれ違いの毎日で、うまくコミュニケーションが取れなかったのです。
今でこそ、あのとき、ホストたちに迷惑をかけてしまったことは申し訳なく思っています。
しかし、当時は生活に必死であり、謝ることや感謝することがおろそかになっていました。
もともと自分で火をつけてしまったトラブルです。
ホストたちと別れるときには、最後に握手したことを覚えています。
「雰囲気が悪いのに、なぜ握手なのだろう」と未熟な私は思っていましたが、握手をするとどういうわけか安心できるのです。
今までの鋭くとがった気持ちが、少し丸くなった瞬間です。
きっとホストたちは握手をすることでお礼の気持ちを言いたかったのだと思います。
私の勝手な行動や発言で、迷惑をかけていましたが、握手をした瞬間に「申し訳ないことをしてしまった」と強く感じたのです。
たった一カ月のホームステイでしたが、今ではいい思い出の1つになっています。
握手とは、してみると、気持ちのいいものです。
恥ずかしい気持ちもありますが、これが仲良くなるためのポイントでもあるのです。