完璧主義者は、ミスの許容範囲は狭いのが特徴です。
許容範囲の幅が狭く、もはや点になっています。
もしくは許容範囲そのものが存在しません。
完璧を求める性格が強いと、許容範囲を狭くしたくなりますが、これでは完璧主義が悪化する一方です。
完璧、もしくは完璧に近い状況しか認めなくなると、ミスのたびに焦ったりいらいらしたりします。
ストレスやプレッシャーが倍増して、喜びや楽しみを感じにくくなります。
罪悪感にさいなまれることも多くなるため、モチベーションが低下して、挫折を招きやすくなります。
もちろんミスが許されない状況もあります。
たとえば、重要な契約・乗り物の運転・外科手術です。
いくらストレスを感じようと、財産や生命に直接影響することなら、徹底的にミスを避ける必要があります。
しかし、そのほかの場合なら、許容範囲を広げても支障はないはずです。
完璧主義を治したいなら、ミスの許容範囲を広げましょう。
許容範囲を広げると、束縛や緊張感が緩くなり、ストレスやプレッシャーも小さくなります。
たとえば、料理です。
完全完璧な味の料理を作るのは、プロでも難しい。
正確に食材の量や調理時間を考慮して、完璧な料理に仕上げるのは、さぞ大変でしょう。
そこで少し許容範囲を広げて、自分が納得する範囲を広げます。
「まずくさえなければ、少し味が変でもよい」と考えれば、料理を作る喜びや楽しさも感じやすくなります。
仕事でも同じです。
1つのミスも許さない状態では、不安や恐怖が大きくなり、新しい挑戦もしにくくなります。
そこでできるだけミスの許容範囲を広げて、フットワークを軽くして動きやすくします。
「5回のうち1つくらいは失敗があってもよい」と考えれば、新しい取り組みにも挑戦しやすくなるでしょう。
ゲームなら「5回中2回まで負けてもいい」とする。
練習問題なら「10問中3問までなら間違ってもよい」とする。
野球のバッティングの練習なら「30球、5球までなら空振りをしてもよい」とする。
許容範囲を広げにくい状況もあるかもしれませんが、状況の許すかぎり広げておくといいでしょう。
迷ったら、広めを選ぶのが無難です。
少しでも許容範囲を広げておくほうが、のびのび取り組め、純粋な喜びや楽しみを感じやすくなります。
挫折を防ぎやすく、長続きしやすくなります。
許容範囲を広げるにつれて完璧主義も治っていきます。
もし都合が悪いと気づけば、後から許容範囲を微調整すればいいだけです。