完璧主義者は、人に対しても完璧を求める傾向があります。
お金を払っているなら、完璧な商品・サービスを手に入れたいと思います。
外注費を支払って、仕事を依頼しているなら、完璧な結果を出してもらうのは当然と考えるでしょう。
自分にできるなら、相手にもできてほしい期待もあるのかもしれません。
あくまで相手に求めていることであり、自分には無関係に思えます。
しかし、ここが落とし穴です。
実は、相手に完璧を求めると、自分の完璧主義を悪化させてしまいます。
相手に完璧を求めるとき、心の中で「私も完璧でなければいけない」と考えています。
人に厳しくするなら、主義・主張に矛盾がないよう、自分も厳しくなくてはなりません。
人に完璧を求めることは、自分にも完璧を求めているのと同じことになります。
相手に「絶対間違えるな」と言うとき、自分にも「絶対間違えるな」と言っているのと同じになります。
相手に「完璧にしてください」と言うとき、自分にも「完璧にしなさい」と言っているのと同じになります。
相手に与えたストレスやプレッシャーが、自分に跳ね返ってくることになる。
自分で自分の首を絞めることになる。
どんどん自分を追い込んでしまい、生きるのがつらくなります。
さらには人付き合いの摩擦が生じて、人間関係まで悪くなってしまう二重の苦しみです。
相手に完璧を求めるのは、自分のストレスが増えるだけでなく、人間関係にも悪影響なのです。
完璧主義を治したいなら、相手に完璧を求めるのはやめたほうがいいでしょう。
「少しくらい間違ってもいい。遅れてもいい。不備があってもいい」と考える。
限度を超えたものでなければ、多少のミスもよしと考えます。
うっかりということもあれば、勘違いということもあるでしょう。
ミスの許容範囲を広げておくほうが、自分にも優しくなれます。
相手に「完璧でなくてもよい」と言うことは、自分に対しても「完璧でなくてもよい」と言っているのと同じになります。
ストレスやプレッシャーが軽くなり、気持ちが楽になります。