「どうしてできないの?」と言いたくなる瞬間があります。
自分が簡単にできることを相手ができないと「どうしてできないのだろう」と不思議に思います。
たとえば、自分なら簡単に作れる料理を、相手がうまく作れない状況があるとします。
何度取り組んでも上達しなければ、相手のもたもたした様子にため息が出るかもしれません。
もちろんできない様子を不思議に思うのはいいですが、見下す発言には注意してください。
たとえば「下手くそ」「情けない」「愚か者」といった一言は不適切です。
腹立たしい気持ちが湧いたとしても、相手を傷つける言葉は言わない。
ここで意識しておきたい一言があります。
「自分ができることは、相手もできるとは限らない」ということです。
世の中に同じ人はいません。
同じ人間でも、先天的・後天的な違いから、できることもあればできないこともあります。
人によって得意なこともあれば、不得意なこともあります。
自分には簡単な仕事でも、相手にとっては難しく感じることもあるでしょう。
「自分ができることは、相手もできるとは限らない」という考えを持てば、相手に優しく接することができます。
逆のパターンもあります。
「相手ができることは、自分もできるとは限らない」ということです。
たとえば、相手が日曜大工に取り組んで、手軽に木製の椅子を作ったとします。
相手が簡単に実現したことでも「それくらい誰でもできる」とけなすのはよくありません。
ちょっとした一言で相手を傷つけます。
簡単そうに見えることでも、自分が取り組んでみると、意外と難しいかもしれません。
実際は高度な知識や技術が必要で、自分にはできないこともあります。
自分にできないなら、素直に努力と能力をたたえるのがスマートです。
自分にできるかわからないなら「自分にはできるかな」と言うくらいにしておくのがいいでしょう。
これが「お互いの仕事を尊重する」ということです。
「自分ができることは、相手もできるとは限らない」
「相手ができることは、自分もできるとは限らない」
夫婦生活のすべてにおいて、意識しておきたい心がけです。