スラックスは、上着に比べて汚れが付着しやすい部分です。
歩いたとき、足元から跳ね返る汚れが付くのは、まずスラックス。
スーツ全体の中でも、特に入念なブラッシングが必要な部分と言っていいでしょう。
ポケットに入っているハンカチやティッシュは、一度取り出しておきましょう。
面倒でも、ベルトも一度外しておきます。
そんなスラックスのブラッシングは、床やテーブルの上ではなく、ハンガーに吊した状態が最適です。
ジャケット用の普通のハンガーでもいいのですが、できればスラックス専用のハンガーがいいでしょう。
「床やテーブルの上で十分ではないか」と思いますが、最大のポイントは、重力です。
ハンガーに吊すと、重力の力を利用できるため、ブラッシングで汚れがスムーズに落ちやすくなります。
重力によってスラックスがぴんと伸びるため、ブラッシングと同時に、しわを伸ばす効果も出てくるのです。
ブラッシングは、重力の方向に合わせて、上から下に向けると、落ちやすくなります。
汚れやすい膝から下は、入念にブラッシングをします。
裾周りは、表だけでなく裏側も、時間をかけてブラッシングをしましょう。
もし、裾がダブルの場合は、折り返しの部分に、汚れがたまりやすくなります。
縫い止めに気をつけながら、一度、裾を伸ばします。
ブラシの先をつかってかき出すようにすると、しつこい汚れも取れやすくなるでしょう。