10代で経験しておきたいのは、お金の失敗です。
もちろんお金の失敗は、ないほうがいいです。
ないほうがいいですが、本当にお金の勉強をするには、お金の失敗が必要です。
人の話を聞いたり、本を読んだりしただけでは、お金のことは身につきません。
お金のことを知るには、自分が失敗を経験して悔しい思いをするのが、一番よく身につきます。
お金の失敗にふさわしい時期は、10代です。
10代なら、扱う金額が小さいため、お金の失敗も最小限に抑えられます。
たとえば、友人から「お金を貸してほしい」と言われて、気軽にお金を貸したとします。
「すぐ返してもらえるだろう」と思うのですが、なかなか返してもらえないものです。
「お金を返してほしい」とは言いづらいものです。
言ったとしても、なかなか返してもらえません。
しばらくして、友人との仲もぎくしゃくします。
「こんなことになるなら、お金を貸さないほうがよかった」と知るのです。
衝動買いも、いい失敗経験です。
「欲しい」と思った物を、深く考えることもなく衝動的に買ってしまいます。
買った後、まったく使うことがなく、買い物に失敗してしまうのです。
使わなければ、お金を捨てたのと同じです。
こうした失敗経験は、10代なら許されます。
親から「ばかだね」と言われつつも「次からは気をつけなさい」という注意くらいで済みます。
10代のうちに、お金の失敗をたくさん経験しておきましょう。
失敗するにつれて、お金の本質や性格がわかるようになり、お金の使い方が上手になります。
10代なら、お金の失敗も、いい勉強です。
授業料だと思い、次から同じ失敗を繰り返さないよう、注意すればいいのです。