私には、コンプレックスがあります。
私には何でもかんでも気にしすぎてしまうという欠点があります。
いわゆる「気にしすぎ」というやつです。
ささいなことでも、疲れ果てるまで深く考え込んでしまう性格があります。
「なぜそんなに深く考えてしまうのですか。気にしなければいいだけなのに」
と言われてしまいそうですが、私だって好きでこの性格になったわけではありません。
私も、何とかしたいのです。
これは、もともとあった私の性格です。
誰かの影響を受けたわけでもなく、何かの真似をしたわけでもなく、生まれたときからこの性格でした。
一番昔の記憶に遡ると、3歳にまで遡ります。
3歳のころに住んでいたマンションでの記憶ですが、そのころにはすでに考える性格であったのを記憶しています。
お母さんが私をあやそうとしたとき、私は心の中で「なぜ、僕を笑わせようとするのかな」と考え込んでいました。
この性格は、先天性なのです。
考えすぎて、ノイローゼになりかけたこともあるくらいです。
文学の大文豪といわれる芥川龍之介は、最後は自殺で亡くなりました。
芥川龍之介はノイローゼの生活を送っていたといいます。
その気持ちは、私もわかります。
思考が深くなると、歯止めが利かなくなり、どんどん鬱のほうに傾きます。
底なしの谷を転げ落ちるかのようです。
私は初め、この性格にコンプレックスを持っていました。
考えすぎとは、本当に精神を消耗する性格です。
あっけらかんと生きている人たちを、羨ましく思っていました。
人生の転機は、21歳のときに訪れました。
出会ったある女の子のおかげで、この短所を長所に「考え変えること」ができました。
短所が大嫌いだと言っているのは本人だけで、周りから見れば長所に見えてしまうものです。
私は自分の考えすぎという短所を「文章を書く」という能力に生かすことで、今までの悩みのタネが武器になってくれました。
おかげで今では、ピアノを弾くようにすらすら文章が書けてしまいます。
ある人から「いろいろなことを知っているんですね」と言われたことがあります。
私には日常考えていることを文字にしているだけです。
昔から考えていることですから、自然体です。
むしろ、書けば書くほど、心の中にあるストレスを外に吐き出せます。
書き終わるとすっきりします。
書けば書くほど、元気になってしまうのです。
余計にやめられません。
いまやこれが、私の長所になりました。
案外自分の短所は、実は長所であったりします。
自分のコンプレックスを考え改めてみましょう。
あなたのコンプレックスは何ですか。
それがあなたの長所なのです。
信じられないかもしれませんが、今まで引っ込めていた短所を、押し出すようにして前に出していけば長所に早変わりします。
あなたのコンプレックスは、あなたにとって存在感をアピールできる一番長所になるのです。