存在感を出すために、上手にうまくこなすだけが手段ではありません。
思いきり下手な人でも、下手は存在感を出すことができる武器になるのです。
たとえばカラオケでも、ときどき天才的な音痴の人がいます。
音痴でいるにもかかわらず、音痴さんが1人いてくれるだけでカラオケはとても盛り上がります。
単純に面白いのです。
私の中学校時代にも、池内君という音痴がいました。
中学の文化際では、私は池内君の隣で歌を歌っていました。
案の定、歌の音程がずれていて、私を含めた周りにいる人たちを笑いの渦に巻き込みます。
池内君の間違った音程をずっと聞いていると、どれが正しい音程なのか途中でわからなくなってしまったくらいです。
池内君は学年では成績優秀というわけではありませんでしたが、音痴に関しては成績優秀で常にクラスでトップでした。
誰も池内君の音痴にはかないませんでした。
SMAPの中居君も、音痴で有名です。
音痴であることでしばしば注目を浴び、歌っているときもつい中居君の声に耳を傾けてしまいます。
ほかのメンバーのほうが、歌がうまいのに、下手な人のほうが、存在感があるのです。
しかし、下手だからとはいえ、不思議と悪い気はしません。
むしろ、ほほ笑ましい気持ちになれます。
もし中居君が歌を上手に歌ってしまえるようになったら、ファンはがっかりしてしまうのです。