「日本では全然モテない。男性ときちんと付き合った経験がない」
そう嘆くSさんは、留学中に出会った25歳の色白女性でした。
髪はさらさらです。
マナーもあり、感じのいい女性です。
しかし、Sさんはいつも「モテない、モテない」と言っていました。
私は彼女と同じ日本人なので、Sさんのモテないであろうという理由がなんとなくわかりました。
Sさんは、少し不思議な顔つきなのです。
きれいとも、かわいいともいえない。
あえて言えば、少しエスニックな雰囲気が漂っています。
こんな言い方をしたら失礼ですが、仏像のような顔です。
顔立ちは整っていますが、恋愛対象にはなりにくい感じです。
その不思議な顔つきに加え、男っぽい性格であったり、少しふくよかな体型であったりしました。
そうした条件が重なり、おそらく日本人男性には受けがよくないだろうことを察したのです。
どちらかというと、友人として付き合いやすく、恋愛には発展しにくいタイプです。
私も、やはりSさんと「友人として」付き合う仲になりました。
一緒に食事に行ったり遊びに行ったりなど、頻繁に出かけるようになりました。
2人で、ラスベガスへ旅行に行ったこともあります。
友人として付き合う分には、のりがよくて、面白い人でした。
彼女の不思議な雰囲気や男っぽい性格が、一緒にいて、なかなか楽しかったのです。
しかし、そんなSさんですが、海外に来てから人生が一転します。
海外では、異様に人気なのです。
日本では受けが悪い顔つき・体格・性格が、どうやら海外ではとても受けがよかったのです。
ある日のことです。
複数の男性から話しかけられ、その後、驚くべき報告をしてきました。
「妊娠してしまった」と言うのです。
いえ、本当に驚くのは、その後でした。
「誰の子かわからない」というのです。
予想していなかった妊娠で驚いたばかりか、複数の男性と肉体関係を持ったため誰の子かわからず、呆然とした様子でした。
結婚しようか、おろそうか。
重大、かつ大きな人生の選択です。
Sさんは何をどうすればいいのか、パニック状態でした。
しばらく悩んだあげく、おろすことを決意しました。
もしかしたらこの男性の子ではないかという人と一緒に、ロサンゼルスのある病院へ連れて行かれ、堕胎したとのことです。
しかも、そのときの手術代でも、どちらがいくら支払うかで、揉めたと聞きました。
私が留学中に目撃をした、最も過激なケースでした。