アメリカ留学中、不思議な光景を目にしたことがあります。
レストランで食事をしているとき、テーブルに1セントだけ置いて帰るアメリカ男性客です。
最初は「なんだろう」と不思議に思っていました。
何もチップを置いていかなければ「うっかり忘れたのだろう」と思います。
ですが、1セントを置いているということは忘れているわけでもなさそうです。
しかし、不自然に少ないチップです。
チップというにはほど遠い、微々たるものです。
初めはその意味がわかりませんでした。
しばらく経って海外旅行についてのガイドブックを見ているうちに、それに関するであろう記事を見つけました。
「レストランのサービスが気に入らなければ、1セントだけ置いて帰る風習がある」とあったのです。
「なるほど。あの光景は、そういう意味だったのか!」
実は1セントのチップというのは「サービスに不満があります」という意思表示だったのです。
欧米人らしい、粋な表現方法です。
「よし。じゃあ自分も不満があったらそうしよう」
それは、ちょっと待ってください。
ガイドブックに書かれているからとはいえ、そのままうのみにするのはあまりよくありません。
海外旅行者が、むやみに現地の人の真似をすると「偉そうに」と反感を抱かれる場合があります。
場合によっては、不要なトラブルに巻き込まれることもあるでしょう。
とりわけ、女性による一人旅ならなおさらです。
「安全をお金で買う」という意味でも、少々サービスに不満があっても普通どおりのチップを置くほうがいいでしょう。
不要なトラブルに巻き込まれないコツです。