「子どもが思うように育ってくれない」
ときどきこうした悩みを持つ親を見かけます。
子どもの教育に悩む親から、よく聞かれる内容です。
思うように育ってくれないと聞くと、子ども側が悪いのだと思ってしまいますね。
「言うことを聞かない子どもなのだろう」
「いたずらが好きな子どもなのか」
「大人の意見を無視しているのか」
あらためて考えてみましょう。
実のところ、悪いのは親の側です。
もちろんマナーや常識といったしつけは、きちんと教える必要があります。
社会で生きるために必要な常識やマナーを徹底的に教え込みます。
そういうマナーや常識という型を教えるのはいいですが「子どもの生き方」まで型にはめさせるのはよくありません。
「子どもが思うように育ってくれない」と悩みを抱いている時点で、親は子どもを「型にはめよう」とする気持ちがある証拠です。
「天才ピアニストに育ってほしい」
「はきはき話す子どもに育ってほしい」
「名門校に入ってほしい」
そういう希望を抱いているので、知らぬ間にそういう道を押し付けてしまおうとしている。
なぜ言うことを聞かないのかというと、押し付けているからです。
むしろ無理に生き方を型にはめさせようとすると、子どもは余計に言うことを聞かなくなります。
「やりなさい」と言われることは、逆にやりたくなくなるという経験はありませんか。
誰かにやりなさいと命令されたことは、なぜかやる気が消えてしまい、逆の道へと進みたくなります。
親がこうなってほしいという都合を子どもに押し付ければ押し付けるほど、子どもは逆の方向へと育ってしまいます。
子どもの性格はそれぞれであり、親の思っているとおりに育ってくれなくて当然です。
ピアノより勉強のほうが得意かもしれない。
はきはきではなく、もぞもぞ話す子に育つかもしれない。
成績は人並みで、名門校に入れるほどではないかもしれない。
往々にして子どもは、親が思いもしないような方向へ育っていきます。
それが普通です。
思いもしない方向でいい。
子どもがそういう道を選んでいますから、子どもには最も都合のよい快適な道なのでしょう。
親の考え重視ではなく、子どもの考え重視で育てていきましょう。