「わかる」と「覚える」は、なんとなく意味が似ている言葉です。
「わかりました」
「覚えました」
よく耳にする言葉ですね。
先生たちも、あまりに基本的なことすぎるのか、きちんと説明してくれない場合が多い。
本腰を入れて受験勉強をするなら、この意味の区別をきちんと理解して整理しておくことが必要です。
「わかる」と「覚える」の意味をきちんと把握すれば、受験勉強がやりやすくなります。
突然ですが、この違いをきちんと説明できるでしょうか。
どちらも頭を使うことには変わらないので、だいたい同じ意味だと思っている人がいるようです。
たしかに頭を使うという点では同じですが、実のところ、意味はまったく異なります。
簡単に説明すれば、次のようになります。
まず「理解する」とは「筋道が理解できること」をいいます。
わかるときの特徴は、面白くて期待や喜びで嬉しくなり、落ち着かないことです。
意味がわかって理解できると、勉強が面白くなります。
「なるほど、そういうことなのか」と、うなずく場面があれば「わかった」という瞬間です。
「そうか。なるほど」とうなずいた瞬間があれば、理解ができている証拠です。
不思議なことに、その瞬間、同時に覚えることもできています。
わかるためには、筋道を理解する必要があります。
筋道を理解するからこそ、一度理解できると忘れにくくなります。
一方で「覚える」とは「記憶すること」をいいます。
覚える作業は、面白みがなく、わくわくもなく飽きやすいのが特徴です。
覚える対象に意味はありません。
うなずく場面はありません。
hatという英単語の意味は「帽子」だということに、大きな理由はありません。
ただ、そうなのです。
厳密には理由はありますが、深く追求すると話が膨らみすぎるので、そのまま覚えます。
覚えることは、前後関係も意味もないため、覚えやすく忘れにくいです。
歴史の教科書を読んで、流れをつかむのは「わかる」です。
しかし、登場人物の名前や年号を頭に叩き込むのは「覚える」です。
植物の光合成の仕組みを理解するのは「わかる」です。
しかし、光合成の中で登場するミトコンドリア・葉緑素・DNAなどの役割を頭に叩き込むのは「覚える」です。
このように勉強には「わかる」と「覚える」があるのです。