喧嘩になってトラブルになることがあります。
腹が立つので、ぐうの音も出ないほど徹底的に打ち負かしてやりたいと思います。
このとき「喧嘩に勝つ=トラブルを解決する」という思考になりがちです。
喧嘩に勝って勝敗が決まれば一件落着になると言いたいところですが、そうではありません。
喧嘩に勝ったとしても、解決になっているようで、実はなっていません。
喧嘩に負けた相手は、腹の中で恨みが残ります。
勝った側はすかっとして気持ちいいですが、負けた側は不快感があって、むかむかが解消されません。
「この野郎。よくも恥をかかせたな。ひどい目に遭わせたな」となります。
恨みの深さを甘く見てはいけない。
人の恨みは簡単に消えるものではありません。
喧嘩に勝っても、関係が悪いままでは、本当の解決になりません。
表向きは決着がついてトラブルが解決したように見えても、人間関係にひびが入ったままです。
相手からずっと恨まれ続け、別のタイミングで仕返しされる可能性があります。
未来に禍根を残すことになるのです。
こちらが負けておけばいいのです。
相手に勝たせてあげます。
「あなたの勝ちです。私の負けです」と言えばいい。
金銭的な損があったとしても、それでトラブルが収まるなら安いものです。
こちらはむかむかが残って損に思われますが、深く気にせず、さっと忘れればいいだけです。
負けても恨みません。
嫌なことがあっても許します。
過去のことはさらっと水に流しましょう。
なかなか忘れられないなら、リフレッシュや気分転換でもすればいい。
忘れたり許したりすることは、こちらでコントロールできることです。
人間関係の問題解決は「相手を変えるより自分を変える」です。
相手を変えることはできなくても、自分を変えることなら自身次第です。
相手を勝たせてあげて良い気分にさせておけば、恨まれたり仕返しされたりする心配はありません。
喧嘩にはさっさと負けておくほうが、トラブルが収まるのも早くなるのです。