「勇気」と言えば、どんなイメージを浮かべるでしょうか。
やはり思い浮かべるのは「勇ましく立ち向かう姿」ではないでしょうか。
勇気とは、物おじしないで向かっていく気力のことをいいます。
やる気が出なくても、気合を入れて立ち向かいます。
仕事で嫌なことがあっても、気力を振り絞って立ち向かいます。
恐怖や緊張を感じることがあっても、マイナスの感情を振り払って立ち向かいます。
ファイティングポーズはかっこいいポーズです。
常にファイティングポーズを取り続ければ、常にかっこいい姿を見せることができるでしょう。
勇ましく立ち向かう姿があれば、誰もが「勇気がある」と認めるに違いありません。
しかし、勇気とはその限りではありません。
いついかなるときでも勇ましく立ち向かえばいいわけではありません。
心身が限界に達しているにもかかわらず、無理に立ち向かうのはよくありません。
「限界寸前」「健康が危ない」とわかっていながら立ち向かうのは、勇気というより無謀です。
もはやチャレンジではなく、自殺行為に等しい行為です。
こういうときに大切なのは「逃げる」という選択です。
ロールプレーイングゲームの対戦では「逃げる」という選択が用意されています。
逃げる選択が存在するのは、状況に応じて必要だからです。
逃げることで命拾いできます。
逃げてもそれで終わりとは限りません。
生き延びれば何とかなります。
急場をしのいで逃げ切れば、その間に体調を回復できたりスキルアップができたりします。
タイミングを計らってリベンジのチャンスが得られるでしょう。
「もう限界だ」
「万事休すだ」
「このままでは取り返しのつかないことになる」
そう判断したら、しっぽを巻いて逃げてください。
「面目を失う」「評価が落ちる」「汚点を残す」などと心配している場合ではありません。
情けない姿をさらすことになりますが、気にすることはありません。
何でも勇敢に立ち向かえばいいわけではありません。
命と健康を守ることが第一です。
命と健康があってこその人生だからです。
しっぽを巻いて逃げることも勇気のあることであり、正しい選択をしたことになります。
勇ましく戦うことだけが勇気ではありません。
しっぽを巻いて逃げることも勇気です。