「どうせ忘れるからといって覚えません」という人がいます。
たしかに記憶は永遠ではありません。
機械の記憶とは違い、人の記憶は不確実で、だんだん忘れるようにできています。
頑張って覚えたことも、時間が経つにつれて記憶が薄れていき「なかなか思い出せない」と苦しむことになるでしょう。
思い出せそうで思い出せないときは本当にもどかしくてストレスです。
復習も何もしなければ、最終的にはほとんど忘れてしまいます。
せっかく頑張って覚えた努力が無駄になったような気がするかもしれません。
「こんな苦しい思いをするなら最初から覚えなければいい」と考える人もいるかもしれません。
ここによくある誤解があります。
忘れるといっても、完全に忘れるわけではないのです。
厳密には「思い出しにくくなるだけ」です。
忘れたように感じるだけで、100パーセント完全に忘れることはありません。
再び接したとき「おや、見たことがある。聞いたことがある」という感覚になるでしょう。
ちょっとだけ「なじみ」があって、ぼんやり覚えている感覚があります。
忘れているようで実は忘れていません。
頭の片隅に記憶の片鱗が残っているのです。
どうせ忘れるからといって最初から覚えないのはよくありません。
忘れてもいいから積極的に覚えていきましょう。
「覚えるぞ!」という前向きな姿勢は大事です。
何度も繰り返し覚えることで、記憶を維持・強化できます。
最初から覚えなければまったく記憶に残らずゼロですが、一度でも覚えたことがあれば少なからず頭の片隅に記憶が残ります。
覚えることで、脳内神経ネットワークが構築され、覚える回数を重ねるごとに記憶が強化されます。
暗記は回数を重ねるごとに記憶が楽になります。
1回目より2回目のほうが覚えやすく忘れにくくなります。
2回目より3回目のほうが覚えやすく忘れにくくなります。
忘れてもいいので、覚えようとする姿勢が大切です。
好きなことでいいので、どんどん勉強していきましょう。
興味のあることなら、頭にすいすい入りやすくなるはずです。
人生は一生勉強です。
向学心を持って生きることは、人生の質を向上させます。
学問は贅沢な遊びです。
学びは楽しい遊びです。
知識や教養を鍛えることは、生きる力をも鍛えるのです。