一般的に値段の高い食べ物は、おいしく感じる傾向があります。
たとえば、高級料理です。
調理に手が込んでいたり品質の高い食材が使われていたりするため、おいしく感じることが多いでしょう。
高級レストランで高級料理をいただくと、至福の時間を過ごせるでしょう。
高級料理は芸術性も高い。
見栄えがいいため、見ているだけで楽しめます。
目の保養にもなります。
もちろん高価なものをおいしく感じるのはいいですが、高価なものしかおいしく感じられなくなるのはよくありません。
それは「おいしさ=値段」になっています。
純粋に自分の舌で味わっていません。
お金に惑わされておいしいと感じています。
私たちは資本主義の中で生きています。
大人になるにつれて、お金に価値を置くようになります。
お金が信仰の対象になり、私たちは拝金教の信者になっています。
お金に価値を置いていると、いつの間にか食事のおいしさも、お金で判断していることが少なくありません。
「高いものはおいしいに違いない」
「安いものはおいしくないに違いない」
いつの間にかお金を基準とした価値判断に振り回されているのです。
それは、かえって人生の楽しみを半減させてしまうことになります。
大切なのは、安いものでも、おいしく味わえるようになることです。
安いものでも、おいしいものはたくさんあります。
ラーメン、牛丼、そうめん、そば、おにぎり、卵かけご飯。
ワンコインで買える食事でも、感動するほどおいしいものがあります。
おいしさを値段で決めつけないことです。
「お金」ではなく「舌」で味わってください。
高級料理に感動するのもいいですが、普通の料理にも感動できるようになることです。
高級レストランもいいですが、普通のファミリーレストランも楽しめるようになることです。
シンプルなおにぎりも十分おいしい。
お金のことを忘れれば、舌の本来の感覚を取り戻せます。
おいしさを味わう幅が広がれば、人生を味わう幅も広がります。
自分が「おいしい」と感じたら、それが正解です。
食べ物のおいしさは、お金に惑わされることではないのです。