アイデアは、練りすぎに注意しましょう。
「アイデアは、練れば練るほど面白くなる」
そう思っている人も多いのではないでしょうか。
もちろん知恵も工夫も何もないアイデアは物足りないでしょう。
地味やシンプルがふさわしいこともありますが、基本的には何らかの工夫を凝らすことが向上や改善につながります。
アイデアが出たら、そのままにせず、ある程度練っていくことが必要です。
工夫を重ねて具体的な形にしていくことで、アイデアの魅力が引き出され、価値を高めていけます。
練られたアイデアは完成度が高くなり、多くの人から認められるでしょう。
事実、世の中にある秀逸なアイデアには、何らかの工夫が施されているものが大半です。
工夫がスパイスの役割を果たし、よい味を出していくのです。
では、とにかくアイデアを練ればいいかというと、それは違います。
アイデアを練るのはいいですが、練りすぎるのはよくありません。
練りすぎたアイデアは、後から修正できなかったり応用が利かなかったりして不便になります。
また、複雑になったり間延びしたり面倒くさくなったりなど、かえって質を下げることも少なくありません。
工夫のつもりが、逆効果になっては本末転倒です。
ゆですぎたパスタは、水気が多くておいしくないように、練りすぎたアイデアも、作られすぎて面白くないのです。
では、アイデアを練るなら、どの程度がいいのでしょうか。
目安は「7割から8割」です。
わざと一部に未熟な部分を残すことで、修正や応用がしやすくなります。
どんなに多くても、9割を上限とするのがいいでしょう。
「もっと面白くしよう」とアイデアを考えることに熱中していると、視野が狭くなって周りが見えなくなる。
いつの間にかヒートアップして、練りすぎてしまうことが少なくないため、注意が必要です。
アクセルだけでなく、ブレーキも大切です。
「いかに練るか」ではなく「どこで練るのをやめるか」です。
パスタは、アルデンテの状態が一番おいしいように、アイデアも、未熟な部分を残した状態が一番面白いのです。