「常に社交的でなければいけない」
人見知りを直そうとするとき、そう考える人が多いのではないでしょうか。
いつも明るく元気で積極的な人は、人見知りとは無縁に思えます。
常に笑顔でにこにこしている。
どんな言葉にも絶妙に返事を返す。
楽しそうに振る舞うのが上手。
人と一緒にいるとき明るく振る舞いますが、1人のときでも明るく振る舞おうとします。
楽しいときはにこにこした笑顔ですが、そうでないときもにこにこした笑顔を振りまきます。
人の集まりでは、積極的に話しかけますが、普段から明るく積極的に話しかけようとします。
人見知りの人は、社交的な人を見習って、いつも明るく振る舞おうとすることが多いでしょう。
しかし、ここに誤解があります。
実は社交的な人でさえ、24時間365日、ずっと社交的であり続けるのは難しいことです。
社交的であるのは、気力・体力・精神力を激しく消耗します。
相手の顔色をうかがったり、気を使ったりなど、ストレスが増えます。
もともとエネルギッシュな人でないかぎり、常に社交的であるのは難しいこと。
そのため、人見知りの人が、安易に社交的な人の真似をすると、挫折しやすくなります。
挫折をすれば「やはり自分はダメな人間なんだ」と自分を責めてしまい、ますます自己肯定感が低下するのです。
こうしたとき、人見知りの人におすすめの取り組みがあります。
人見知りの人は「ピンポイントの社交的」から始めましょう。
常に社交的である必要はありません。
必要なときだけ社交的になるだけでいいのです。
時と場所を選んで、大切な場面だけ社交を演じます。
ピンポイントでいいのかと思いますが、もちろんかまいません。
たとえば、飲み会やパーティーです。
社交の場だけ「社交的」のスイッチをオンに切り替えましょう。
頭や気持ちをさっと切り替えます。
社交の場だけ明るく元気に振る舞ったり積極的に話しかけたりします。
社交に苦手な人でも、短時間ならぎりぎり頑張って乗り越えられるのではないでしょうか。
時間も場所も限定的ですが、社会における人付き合いではこれで十分。
必要な場面だけ社交的になるのも、立派な社交術です。
体力の使い方が上手になると、ストレスも減るため、人付き合いも長続きします。
何度か繰り返していくと、人に対するポジティブなイメージも強くなります。
「自分はできる」という自己肯定感も高まります。
慣れと成功体験を積み重ねていくことで、限定的だった社交の範囲がじわじわ広がっていくのです。