緊張に遺伝は関係しているのでしょうか。
もともと緊張しやすい人もいれば、あまり緊張しない人もいて、個人差を感じることが多いのではないでしょうか。
さほど人前で発表する場数を踏んでいなくても、すらすら人前で話せる人もいます。
実のところ緊張しやすさには、遺伝も関係しています。
人のDNAには、緊張に関する遺伝子の存在が確認されています。
現在のところ、緊張に関する遺伝子は、大きく分けて2種類が報告されています。
「緊張する遺伝子」と「緊張しない遺伝子」が別に存在して、その割合によって緊張のしやすさが決定するとされています。
さらにS型とL型の組み合わせから、次の3タイプに別れます。
生まれつき緊張に強い人と弱い人が存在していることが、遺伝子からも証明されています。
人種による傾向もあります。
欧米人は、緊張しにくいL型遺伝子が多い一方、アジア人は、緊張しやすいS型遺伝子が多い傾向があります。
親が緊張しやすい性格なら、子どもにも遺伝している可能性は、少なからず考えられるでしょう。
ただし、遺伝が緊張のすべてを決定しているわけではありません。
緊張に遺伝が影響するのは、あくまで一部です。
緊張は、先天的な要因より後天的な要因のほうが重要です。
生まれた後の環境や経験によって、緊張は克服することが可能です。
特に大きく影響するのが「場数」と「成功体験」です。
最初は人前での発表に緊張していても、場数と成功体験を積み上げていくことで緊張に強くなれます。
遺伝のせいにするのではありません。
結局のところ、自分次第です。
遺伝による影響は微々たるものにすぎません。
緊張に対する反応は、遺伝による影響より遺伝以外の影響のほうが、はるかに大きい。
「緊張対策は、場数に始まり場数に終わる」と言っても過言ではありません。
きちんと場数と成功体験を積み上げていけば、誰でも緊張に強くなることが可能です。