スピーチ前・プレゼン前・面接前。
強い緊張を感じて落ち着かないとき、自然とあくびが出た経験はありませんか。
あくびといえば、眠いとき・退屈なとき・疲れたときに起こるものと思われがちです。
緊張したとき、汗をかいたり心拍数が上がったりする現象なら自然ですが、あくびは不自然な様子に思えます。
緊張する場面なら、むしろあくびどころではないと考えるのが普通でしょう。
しかし、実際に緊張すればするほど、あくびが出やすくなります。
なぜ緊張したとき、あくびが出るのか。
それは、緊張しすぎている心と体をほぐそうとする、脳の防衛本能です。
緊張が過度の状態になると、脳は大きなストレスを受けます。
呼吸が浅くなり、脳が酸素不足に陥ります。
強いストレス状態が続くと、脳に悪影響を与えます。
この状態がさらに悪化すれば、最悪の場合、命の危険にかかわる可能性もあります。
そんなとき脳は「このままではいけない。何とかしなければいけない」と防衛本能が働きます。
強制的にストレスを和らげようとするため、あくびが出るのです。
あくびによって、不足していた酸素を補い、少しでも精神的な余裕を取り戻そうとします。
緊張したときのあくびは、必死でもがいているサインとも言えます。
もし緊張したときあくびが出たなら「適度な緊張」ではなく「過度の緊張」に陥っていると判断できます。
「早く改善しなさい」という脳の警告ですから、素直に従うのが賢明です。
休憩や気分転換など、緊張をほぐす工夫をしましょう。