スーツを長く着用していると、だんだん膝や肘の部分がてかってくることがあります。
原因は、圧迫です。
肘や膝は、圧迫によって繊維が押しつぶされやすい部分であるため、てかりやすくなる特徴があります。
てかりがあまり目立つと、みっともなく見えてしまいます。
もちろんてかりも、対処法があります。
ただし、摩擦によるてかりは、生地が削られているため、対処は不可能です。
てかりに対処できるのは、圧迫によるてかりの場合です。
圧迫によるてかりを直すためには、いくつか方法があります。
最もシンプルな方法は、アイロンの蒸気です。
軽微なてかりなら、アイロンの蒸気を少し当ててからブラッシングすると、ある程度元に戻す効果があります。
蒸気が乾燥するときに生地も伸び、てかりが緩和されるのです。
ベンジンは、しみを落とすときに使う道具として知られていますが、てかりにも使えます。
少量のベンジンをタオルにつけて、てかっている部分を軽く押さえましょう。
その後に、ブラシでブラッシングをすると、生地に自然な状態がよみがえり、てかりが消えます。
ただし、ベンジンは引火性が強いため、取り扱いには十分注意しましょう。
洗面器いっぱいの水に、大さじ1杯のアンモニアを溶かします。
そのアンモニアを溶かした液で布を絞り、てかっている部分を軽く押さえましょう。
最後に、その布を当て布にして、アイロンをかけると消えます。
アンモニアがなければ、代わりに酢を使うこともできます。
手順は、アンモニアと同じです。