学歴が高いにもかかわらず、逆に就職が不利になるとは、信じがたい話です。
しかし、就職内定率を見ると、一定の傾向があるようです。
なぜでしょうか。
理由を一言で言えば、扱いにくさです。
大学院は、一般的に研究をするところです。
文系にせよ理系にせよ、特定の分野を徹底的に研究します。
研究を通して高度な専門知識を取得できるのですが、一方で企業は、そうした専門知識は不要と考える傾向があります。
専門知識がありすぎると、企業としては教育が難しく、扱いにくい状況があるからです。
一定の価値観や思考に染まった人を教育するのは、一苦労です。
しかも修士や博士などの学位のため、就業経験がなくても、高い給与を払わなければいけない事情も発生します。
一般企業の多くは、まだ何も染まってない人を求める傾向があります。
教育しやすかったり人件費を抑えたりなど、企業にとって好都合だからです。
こうした事情から、大学院に進学した場合、一般企業への就職内定率は低くなりやすい傾向があるのです。
ただし、すべての大学院生が就職に不利になるわけではありません。
逆に大学院という学歴が、有利に働く就職もあります。
たとえば、専門性が生かせる仕事です。
研究職や専門職など、専門性が必要な仕事なら、やはり大学卒より大学院卒のほうが有利です。
つまり、大学院への進学が就職に不利かどうかは、本人が希望する仕事によるのです。
大切なことは、自分が就きたい仕事です。
噂におびえても仕方ありません。
将来、どんな仕事をしたいのか、しっかり定めることが大切です。
大学院への進学は、将来どんな仕事をしたいのかをしっかり定めたうえで、慎重に判断しましょう。
自分が就きたい仕事に必要なら、大学院への進学は、正しい判断になります。