学問が本当に身につくまでには「学ぶ」「問う」のほかに、実はもう1つあります。
「教えること」です。
「学ぶ」「問う」は、学問の最初の段階です。
本当に身についているということは、教えるという作業ができるということです。
もし教えることが難しければ、本人の学問が本当に身についていない証拠です。
学問を教えるとき、極端に言うと「キーワード」となります。
たった一言の圧縮語になるのです。
たとえば、成功哲学というテーマで私が教えるときには「スピードだよ」と一言で終わらせてしまいます。
しかし、これを聞いてわかる人はわかりますが、わからない人はまったくわかりません。
わからない人にもわかるように解凍するのです。
圧縮ができるなら、解凍もできるようにならなければ、本当に身についたとは言えません。
私は、わかるまでどんどん解凍します。
もし私が解凍の途中で詰まったら、私がきちんと理解していないところがあるということになります。
具体的理解ではなく、抽象的理解であったことになります。
教えながら自分も学問し、本当に学問を身につけていくことです。
身についているから教えるというより、教えるから身につくのです。
実は、私の場合、今まさにこの作業を行っている最中です。
本を書くことです。
私の中には、哲学がすでにたくさん詰まっています。
たくさんの本を読んできたおかげで、頭の中には十分と言うくらいにコツが詰まっています。
圧縮された「キーワード」という形で、すでに頭の中にあります。
私がすでに具体的理解をしている一言の「キーワード」です。
参考までに、いくつか紹介しましょう。
私の頭の中にある圧縮されたキーワードです。
「スピード」
「時間」
「無限」
「1」
「今」
「知恵」
「勤勉」
「聞く」
「量」
「集中」
「好き」
「行動」
「臨機応変」
「正直」
「素直」
「謙虚」
「ギブ&ギブ」
「簡単」
「それぞれ」
「挨拶」
「基本」
「真似」
「バランス」
「整理整頓」
「勢い」
これはほんの一部です。
これらのキーワードは、たくさんの本を読んで身についた哲学であり、圧縮された言葉です。
私は本を書くことで、これらを解凍しています。
「貴博君は、いろいろ知っているんだね」とよく言われますが、私は知識王ではありません。
圧縮された「キーワード」を、ただ無限にどんどん解凍しているだけです。
たくさん書いているようですが、読者の中には気づいている人もいるはずです。
同じことしか言っていません。
「キーワード」という哲学を、具体例、シチュエーション、アングル、ジャンルなどを変えて、わかりやすく説明しているのです。
サイト「HAPPY LIFESTYLE」には、さまざまなカテゴリーがあります。
実際はカテゴリーを変えているだけで、中身は同じことを言っています。
読者には別々の話をしているように思えますが、視点を変えながら同じことを言っていることに気づくはずです。
私はたくさんのことを知っているのではなく、たくさん解凍しているだけです。
1つの学問を突き詰めた共通点は、すべての学問に共通します。
共通点は、ほかの学問にも同じく共通します。
「共通しない」という人がいれば、共通が見つけられないだけです。
私は今までさまざまなジャンルの本を書いていますが、共通点は同じです。
同じことしか言っていません。
私の中に一言で圧縮された「キーワード」だけです。
文章をよく見てみると、キーワードをほどよくちりばめていることに気づきます。
本を書くことで、キーワードの解凍作業を行っています。
書く作業によって、学問を本当に身につける作業を行っています。