にきびがひどいと、学校に行きたくはありません。
外に出たくもありません。
日光が、いつもよりまぶしく感じられます。
その気持ち、私もわかります。
私も中学生のころ、自分のにきびに強いコンプレックスを持っていました。
にきびがあるほど、外出を控えたくなります。
人に会いたくなくなります。
仮病を使って、本気で学校を休みたくなるのです。
ところがある日、考え方が変わる発見がありました。
中学生という思春期になると、私のほかにもにきびがひどい人が、何人かいました。
「おや。にきびがある」と気づき、最初は「自分と同じだ」なんて、のんきなことを考えていたものです。
考え方に変化が現れたのは、しばらくしてからです。
毎日顔を合わせていると、相手の顔にあるにきびが、全然気にならなくなる自分に気づいたのです。
見慣れたからです。
見慣れてくると、にきびは普通に思えてきました。
にきびがほくろのように見えてきました。
別に変なことではありません。
それはそれで、顔の一部です。
「毎日顔を合わせるから恥ずかしい」と思いますが、毎日顔を合わせるから見慣れてしまい、普通に見えてくるのです。
学校のように、毎日顔を合わせるからこそ、見慣れやすくなります。
1カ月も経てば、全然気にならなくなります。
「あっ。そういえば、にきびがあるね」くらいにしか思わなくなります。
私は当時、自分のにきびを見られるのが恥ずかしくてたまりませんでした。
しかし、他人のにきびに見慣れてしまった自分に気づいて、逆に考えたのです。
「きっとほかの人も、自分のにきびに見慣れていて、気にしていないのだろう」と。
すっと心が軽くなりました。
考えすぎていたのは自分だけでした。
自分が思うほど、周りの人は気にしていないことに気づいたのです。
もちろんにきびは改善したほうがいい肌の病気です。
ただし、自分が思うほど、周りの人は気にしていないものです。
ほくろと同じです。
初対面では「こんなところにほくろがある」と思いますが、何度も会うと、ほくろも顔の一部になり、全然気にならなくなります。