私は10代のころに「同居」を経験したことがあります。
好きな人と、24時間一緒にいる状態です。
その当時、私はまだ学生でしたから、本当に常に一緒にいるという毎日になっていました。
起きるとき、寝るとき、食事のとき、お風呂に入るとき、テレビを見るとき、買い物に行くときなど、常に一緒にいる状態でした。
一般的に言えば「好きな人と一緒に住むなんて、愛情あふれる毎日だろうな」と思われがちですが、実際は「生活」です。
2人でどうやって生活していくのかを、2人で考えます。
一緒に暮らし始めるとわかりますが、ラブラブだけでは解決できない障害が待っています。
起きる時間、寝る時間、食事、テレビのチャンネルなど、1人で住めば何も感じないことに、ストレスを感じるようになります。
むしろ、一緒に暮らし始めたため、仲が悪くなるほうが多いのです。
私の友人でも一緒に暮らし始めたせいで、逆に別れることになった、というカップルも少なくありません。
ときどき会って気ままにデートするのとは違い、24時間一緒にいると、今まで見えなかった相手の性格や癖などが見えてきます。
これが、一緒に暮らすことで得られる一番大切なことです。
人間誰しも、見られたくない一面は必ずあります。
欠点と、どう付き合っていくかが「生活」です。
「欠点があるから別れる。相手の癖が気に入らないから嫌だ」と反感を持つのではありません。
「どう相手の癖や欠点と付き合っていくか」です。
私の場合、何とか相手との生活を揉めることなく乗り切ることができました。
相手に完璧を求めず、むしろ相手の不完全なところとどうやって付き合っていくかを考えていくことが大切なのです。
このときに得られた知恵が「相手のありのままを受け入れる」ということです。
この本の最初の部分にすでに載せていますが、他人とうまくやっていくには「それがその人なんだ」と飲み込んでしまうのです。
いらいらしたとき「むかつく」と言ってしまうことがあります。
むかついて吐き出すのではなく、ぐっとこらえて飲み込んでしまうのです。
飲み込んで自分の中に吸収し、消化していくのです。
最初は、時間がかかります。
1週間、1カ月、時には1年かかることもあります。
ゆっくりでいいですから、消化していくようにしましょう。
相手の良いところも悪いところも「その人の個性」と思い、飲み込んでしまうのです。
そうすることで、我慢ではなく、受け入れられるようになります。
いつの間にか、ありのままを受け入れることができるようになるのです。
これが、好きな人とうまくやっていく一番のコツです。