私がアメリカ留学の最中、自分の寂しさを紛らすために付き合っているカップルをたくさん目にしてきました。
母国を離れ、見知らぬ土地での生活はあまりに寂しく不安なため、紛らすために誰かと付き合っているカップルが多いのです。
これは、日本人に限ったことではなく、友人の韓国人や中国人など、世界に共通した現象でした。
大好きだから付き合うというのではなく、1人ではつらすぎるから付き合うと言えば、適切でしょう。
「人間、1人では生きていけないんだな」と、あらためて思いました。
誰かを好きになるということは、いま一度自分の心に問いかけてみることです。
すると意外なことに、寂しい気持ちを紛らすために付き合っているだけだったりします。
自分でも気づいてない場合が多いのです。
私が留学を終え、今度は仕事のために上京したとき、同じような現象を目にしました。
「東京は、人間関係が希薄になりやすい」と、すぐわかりました。
何だか表情が乏しく、人間関係に冷たく、自分のことしか考えていない人が多いのです。
ある日、私は渋谷を歩いていました。
渋谷を歩いていると、たくさんのカップルを目にできます。
それは愛にあふれた町だからではなく、寂しい町だからこそ、誰かにすがって心の穴を埋めようとしている光景に見えたのです。
私も「今、付き合っている彼女は、同じような現象で私と付き合っているのかな?」と思い、ある日聞いてみました。
「なぜいつも一緒にいたがるのか」と尋ねると「寂しいから」と言いました。
私は正直、心の中で「やはり」と思いました。
少しがっかりしました。
私のことを好きなのではなく、寂しいから好きになってしまっていることが、わかったからです。
「好きだから一緒にいる」と「寂しいから一緒にいる」とが、曖昧になっていることがあります。
好きだから付き合うのか。
寂しいから付き合うのか。
ここから、付き合いの原点を探る必要があります。