「幹事で成功することは出世の近道」
社会人として仕事をしていると、ときどきこの言葉を耳にします。
あまり表だって言いませんが、同僚の間でこっそり話に持ち上がるのです。
「1次会の店は、俺が決める」
「俺の言うとおりに進行させる」
「2次会の場所は、幹事に決定権がある!」
「すべて幹事に任せますよ。お願いします」
上司や同僚から幹事を期待されますが、これほどプレッシャーのある言葉もありません。
みんなが満足する店や料理は、簡単に決められるものではありません。
歓迎会や送別会など、主役がいることがあります。
歓迎会では、新入社員や新人などが主役です。
送別会では、異動や退職する人が主役です。
歓迎会や送別会では、主役がお金を出しません。
その代わり、上司に穴埋めをお願いするのが一般的です。
つまり、上司に限っては参加費を多めに徴収するのです。
幹事の仕事は、出世に影響します。
上司がいるなら、幹事の仕事結果は、査定や評価の1つになるでしょう。
大げさかもしれませんが、現実です。
幹事としては、当然、評判のいい店を選ぼうと考えます。
やはり他人からの評判は気になるものです。
評判のいい店は、雑誌やインターネットを使えば簡単に調べられるようになりました。
私はお酒を飲むと、陽気になるタイプです。
お酒が入ると、すべてが楽しく感じてきます。
ちなみに顔はまったく赤くなりません。
私が参加した送別会で、実際にあったトラブルです。
先輩の送別会の冒頭から、険悪な雰囲気になったことがありました。
みんなが勢ぞろいをして、幹事が軽く挨拶をした後です。
本当に盛り上がるのは、1次会より2次会です。
1次会での勢いがあるため、2次会はさらに盛り上がりやすくなります。
1次会が終わってから2次会の場所を考えようとするのは、よくありません。
私の職場に、幹事の名人がいます。
藤田さんという小太りの30代半ばの男性です。
新人が頻繁に出入りする職場のため、定期的に歓迎会や送別会があります。
宴会は、場所が重要です。
どのような場所を選びますか。
店の雰囲気、食事の値段、立地などいろいろ考えることでしょう。
毎日仕事ばかりをしているだけでは、ストレスもたまるばかり。
宴会や飲み会の場が、コミュニケーションの場とは限りません。
ストレス発散の場でもあります。
お酒はアルコールです。
アルコールによって体が熱くなり、テンションも高くなります。
幹事をするにも、テンションや勢いが必要です。
基本的に幹事は、まとめ役です。
日程を決め、店を決め、乾杯の音頭を取ったり、司会として進行をしたりなど、全体をまとめる役をします。
しかし、まとめ役だけとは限りません。
宴会でよく見かけるのは、強要する人です。
参加者の中には、お酒が飲めない人がやってくることもあります。
ここでよく見かけるシーンがあります。
日程によって、盛り上がりが左右されるのは本当です。
参加メンバーに「いつでもいいよ」と言われても、うのみにするのはよくありません。
いつでもいいと言われて、日程を平日にしてもいいのですが、一般的に盛り上がりにくい傾向があります。
幹事の仕事の1つに、集金があります。
場所を借りて飲み食いをすれば、飲食代がかかります。
さて、問題は、幹事はどのタイミングで集金をするか。
「そういえば、上司の誕生日はいつですか」
普段の会話で、さりげなく誕生日を聞いてメモしておきましょう。
正確に月日まで聞いておきます。
「会場に来た人から順番に、好きなところに座ってください」
そう言われれば、お決まりのパターンがあります。
多くの場合、仲のいい人同士が固まって座る傾向があるのです。
幹事をするなら、イベントを1つ作っておくといいでしょう。
イベントにはさまざまあります。
何か飲む以外のイベントがあると、さらに盛り上がります。
幹事なら、部屋のどの座席に座りますか。
一般的に幹事はまとめ役ですから、上座に座ってもいいのではないかと思います。
司会をする都合、上座のほうがふさわしい気がします。
宴会で追加注文をするなら、本人が直接店員に注文するのがルールです。
いちいち幹事を経由して注文していると、幹事はパンクしてしまうからです。
普通に考えれば、メンバーはそのくらいの配慮をしてもいいでしょう。
幹事を任されれば、どう思うかが大切です。
仕事と同じです。
「仕事が嫌だ。面倒だ。逃げたい」と思うと、仕事の質は自然と下がっていくものです。
幹事は店が決まり、参加人数がわかれば、おおむね予算がわかります。
参加者からお金を集めて、費用を店に支払う。
請求された金額をそのまま支払おうとしますが、要注意です。
幹事をしていると、大変なことばかりではありません。
いいこともあります。
会計の際、現金ではなく、幹事が所有するクレジットカードによる支払いをおすすめします。
ある日、平日に宴会の案内が来ました。
平日の宴会は、どうも苦手です。
次の日も仕事があり、支障が出やすいからです。
幹事が店の予約をするときの、一般的な流れがあります。
「席の予約をお願いします」
「何名さまですか」
盛り上がるだけならいいのですが、店の人に迷惑をかけてしまうことがあります。
飲み物をこぼしたり、奇声を発するメンバーがいたりして、周りに迷惑をかけてしまうなどです。
悪気はなくても、やはり羽目を外しすぎることがあるのも事実です。
「さあ、今日は楽しんだなあ。そろそろ帰ろうか」
宴会は大盛り上がり。
みんな満足して、一斉に帰ろうと店を出ようとする瞬間、幹事は最後に一番大切な仕事が残っています。