付き合っていた女性から、寝る前、よくメールをもらいました。
夜だったので、普通に「おやすみなさい」と書かれているまでは普通でした。
しかし、この子の場合は、ちょっと変わった工夫がありました。
「おやすみなさい」の後に必ず「いい夢、見てね」がくるのです。
それは、この子の決まり文句でした。
感じのいい言葉です。
不思議な言葉です。
「いい夢見てね」と言われると、本当にいい夢が見られそうな気になります。
自分で思うより、他人から言われたほうが、余計にいい夢が見られそうな気になるのかもしれません。
「今日はどんな夢を見られるのかなあ。早く寝たいなあ」と思い始めます。
本当に自然な眠気が襲ってくるのです。
「いい夢を見たい」と思っているので、寝るのが楽しみになります。
はっと、気づいたのです。
彼女は私に、睡眠術をかけていたのだと。
「いい夢見てね」というのは、魔法の言葉です。
「相手に眠気を与え、自然な眠りについてほしい」
「気持ちのいい夢を見て、明日も元気になってほしい」
魔法なのです。
「何て素晴らしい言葉なのだろう」
つくづく女性の賢さには驚かされます。
この言葉の効果に気づいてからは、私も彼女の真似をするようになりました。
夜、友人とメールをする機会があれば「おやすみなさい」の後に「いい夢、見てね」という表現を加えるようにしています。
読み終わった後、きっと自然な眠気が少しずつやってきて、本当にいい夢を見ているに違いありません。
ところで今、何時ですか。
もし夜なら、そろそろ寝る時間ではありませんか。
「それではおやすみなさい。いい夢が見られますように!」