子どもが興味を示したからとはいえ、長続きするとは限りません。
「ピアノをやりたい」と言い始めたので、ピアノ教室に通わせた。
しかし、必ずしも適正があり、才能を発揮するわけではありません。
しばらくすると「飽きた」と言い始めることもあるでしょう。
見るのとやってみるのとでは、全然違います。
実際にやってみると想像していた内容とは異なり、意外にもつまらなく感じることもあるはずです。
それはそれで、大事な収穫です。
「自分にはこれがあっていない」ということが、早い段階でわかったからです。
たとえ失敗や挫折があったとしても、そういう体験ができたことは貴重な成長です。
無駄ではありません。
大切なことは「手応えの蓄積です。
ピアノを弾いたり、泳いでみたり、畑仕事で汗を流したり、ペットと触れ合ったりなど、できるだけ数多くの経験に触れさせます。
子どもが嫌がるものを無理にやらせるのではなく、やってみたいと思うことは、できるかぎりやらせてみましょう。
そうすると、さまざまな体験の中で「手応え」なるものが蓄積されます。
実際やってみると、思ったより楽しかったと言うこともあるでしょう。
ほかの人より習得が早くて「自分には向いている」という手応えを感じる場合もあります。
その一方で、実際やってみたけど、思ったよりつまらなかったということもあるでしょう。
ほかの人より習得が遅くて「自分には向いていない」という手応えを感じる場合もあります。
どちらの体験も大切であり、進歩です。
この両方の体験がたくさんあるほど、後から貴重な財産になります。
「ピアノより水泳のほうが楽しいな。水泳も楽しいけど、ペットと触れ合うほうが自分に合っている気がする」
成長するにつれて、頭の中で比較ができるようになるからです。
さまざまな体験を比べて、適性を見つけやすくなります。
比較は体験したことがあるからこそ、頭の中でできます。
手応えの蓄積が、ゆくゆく子どもの財産になるのです。