赤ちゃんを産んだ後の親犬を見たことがある飼い主ならわかると思いますが、いつもと違う異変に気づくはずです。
出産後の親犬は、神経が高ぶります。
近づこうとすると、いつも以上に驚いて反応し、警戒します。
うなってくることがあります。
子犬に誰も近づかせないような雰囲気があり、飼い主でも近づきにくくなります。
生まれたばかりの子犬を無理に抱きかかえようものなら、飼い主でも、手を噛んでやめさせようとする行動は、珍しくありません。
出産後、親犬の態度が急変して飼い主は戸惑いますが、飼い主のことが嫌いになったわけではありません。
子犬を守るために、神経が過敏になっているだけです。
「産んだ子を守らなければならない」という母性本能が働いているためです。
生まれたばかりの子犬は力が弱く、外敵から襲われやすいので、親犬が守ってやらなければなりません。
子犬を守るために、常に子犬たちに監視して、外敵から守ろうとしています。
そのため飼い主が近づくだけでも、過剰に反応して、興奮しやすくなっています。
さて、そのとき問題になりやすいのは「犬の子」より「人の子」のほうです。
特に気をつけていただきたいのは、家庭に子どもがいる場合です。
生まれたばかりの子犬を目の前に、子どもがじっとしているはずがありません。
子どもは無理に触ったり引っ張ったり、動きも不規則。
親犬は特に警戒をします。
そうした行動が、余計に親犬の気に触れてしまいます。
子どもが、親犬の警戒を振り払って子犬を抱きかかえようとした結果、親犬が本気で噛みつく場合があります。
本気で噛みつかれると、かなり深い傷を負います。
出産後の親犬や子犬など、気になる気持ちはわかりますが、できるだけそっとしてあげたほうがいいでしょう。
飼い主が、本当に気をつけなければならないのは、生まれたばかりの子犬より、子どもたちのほうなのです。