結婚式では、仲人のスピーチは前置きから始まるのが定番です。
「今日はお日柄もよく、皆さんお忙しいところをわざわざお越しいただきまして、ありがとうございます」
ごく一般的な形式であり、丁寧な姿勢が感じられますね。
しかし、あまりに前置きが長すぎると、話は別です。
前置きが5分も10分も続いて、なかなか本題に入らないと、あくびが出ます。
長ければ長いほど、退屈な雰囲気が漂い始めます。
前置きはいいから、さっさと終わってほしいというのが、聞いている人の本音です。
聞いてもらいたい話も、聞いてもらえなくなるのです。
聞き手を退屈させないことが大切です。
面白く話をするためには、聞き手の興味を引かせてから、話を始めてみましょう。
面白い話には「興味を引かせる工夫」があります。
わくわくとした感覚です。
最初に興味が湧く雰囲気を作れば、聞き手の注意を引くことができるため、話をしっかり聞いてもらえるようになります。
もちろんできるだけ、節度を守った、品のある興味の引き方が大切です。
たとえば、うまい仲人は、いきなり最初は興味を引かせるアプローチをします。
「ご結婚おめでとうございます。今日はお2人にぜひ聞いていただきたいお話があります。きっと皆さんの役にも立つはずです」
いかがでしょうか。
「どんな話が始まるのだろうか」と気になり、続きが気になるのではないでしょうか。
新郎新婦だけでなく、会場にいる人全員の注意も集めることができます。
しっかり聞いてもらえることで、話もよく伝わりやすくなります。
結果として、印象深くて面白いスピーチになるに違いありません。
面白いから興味が湧くというより、興味を引かせる工夫があるから、面白くなるのです。