理解は、インプットだけではありません。
アウトプットの過程にも、理解があります。
学んだことは、むしろ、アウトプットしてこそ本当に身につきます。
アウトプットをするためには、インプットより、脳を回転させる必要があります。
インプットは、人の話を聞けばいいし、読書をすればいいだけですが、アウトプットとなるとそうはいきません。
インプットでは「わかったつもり」ができます。
しかし、アウトプットでは「わかったつもり」ができません。
まず自分が、しっかり理解していなければいけません。
自分が知っている言葉や表現を駆使して、わかりやすく言葉を発信するには、脳を幅広く使うことが要求されます。
その分野について、どこまで自分が理解できているのかは、アウトプットの様子でわかります。
たとえば「人に話す」というアウトプットです。
「話す」というアウトプットという作業の途中で、より理解が深まります。
なぜアウトプットの過程で、インプットより理解が進むのか。
いつもとは変わった視点から問題を見つめ直すことになるからです。
「他人にわかりやすく説明するために、どう表現すればいいか」
「わかりやすいたとえ話を添えてみよう」
疑問を投げ、解決し、他人へわかりやすく説明するまでに数多くの思考が必要です。
多角的な視点を持つことで、理解がさらに深いものになります。
不思議なことですが、アウトプットすることで、知識が本当に身につくのです。
またアウトプットの効用は、もう1つあります。
「自分が理解できていない部分を見つけ出すこと」です。
自分が知っていることをわかりやすく説明するときには、自分がきちんと理解しておかなければいけません。
中途半端な理解では、うまく言葉にできません。
「わかった」と言う人も「じゃあ、逆に説明してちょうだい」と言われると、言葉に詰まります。
言葉に詰まっているということは、わかったつもりであって、理解はしていないということです。
アウトプットをしてみると、理解できていない部分が明らかになります。
「わかっていたつもりだったけど、テストを受けてみたら点を取れなかった」という経験と同じです。
うまく表現できなかったという挫折を味わうことも大切です。
知っていたつもりだったけど、人に説明できない自分がいたとわかれば、説明できなかった部分をもう一度復習すればいいのです。