執筆者:水口貴博

数字のトリックを見破る30の方法

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英語の結果は、仕事の結果ではない。

英語の結果は、仕事の結果ではない。 | 数字のトリックを見破る30の方法

英語の世界的試験「TOEIC(トーイック)」は、あなたもご存じのことでしょう。

10点から990点までの範囲でスコアを表示し、受験者の英語の実力を正確に表現できる試験です。

就職試験の際も「TOEICのスコアが高いほうが有利」と言われます。

事実、社会人である私から見ても、TOEICのスコアが高いほうが、たしかに有利になると感じます。

さて、ここで問題です。

これも数字のトリックの1つです。

「T0EICスコア900点の人」と「T0EICスコア300点の人」がいます。

どちらが、仕事ができる人でしょうか。

おそらくあなたは、T0EICスコア900点を選んだのではないでしょうか。

正解は「わからない」です。

引っかけ問題のようで、申し訳ございません。

私も最初、この問題に引っかかった1人です。

T0EICスコア900点は英語の実力であって、仕事がどのくらいできるかどうかを評価するテストではありません。

正解は「わからない」になります。

この事実を裏付ける、ある出来事がありました。

私が社会人になった、ある日のことです。

職場に、T0EICスコア800点台の社員が入ってきました。

800点というと結構な実力です。

「TOEIC800点もあるのだから、きっと仕事もできる人に違いない」

私もほかの社員も、そう思っていました。

TOEICの数字だけを見て、判断してしまいました。

しかし、現実を見て驚きました。

彼は、英語はできるけれど、仕事はできない人だったのです。

朝出社をするや否や、居眠りをし始めます。

会議に出席しても、発言はおろか、まず居眠りをします。

仕事をお願いしても期日を守れず、間違いも多いです。

そんなある日、仕事上で大きな失敗をしてしまい、問題になったことがありました。

彼は自分から責任を取って、仕事を辞めてしまいました。

すべて実話です。

私はこの経験を通して、英語ができるからとはいえ仕事ができるとは限らないという当たり前の事実に気づきました。

TOEIC900点あっても、まったく英語を必要としない職場なら、生かされませんね。

TOEIC900点でも、生かせる職場と、そうでない職場があります。

たとえ英語が流暢りゅうちょうでも、仕事がまったくできなければ、0点です。

現実では、TOEICの結果ではなく、仕事の結果で、評価されます。

現実は、そうです。

仕事に自信があっても英語に自信がなければ、通訳を通して仕事の中身で表現します。

それで、十分通用している現実があります。

日本のある会社の社長が、アメリカのある会社の社長と話し合うとき、どうしているでしょうか。

多少英語のできる社長でも、通訳を通して会話しているはずです。

たとえ、少々語学に自信がある社長だとしても、一言の間違いが大きな利益損失につながるため、英語ができても専門家に任せます。

仕事のできる大統領は、語学に堪能でしょうか。

いいえ、ほかの国の大統領と話し合うとき、現実では通訳を通して話をします。

たとえ、語学が得意でも、語学は語学の専門に任せ、通訳にお願いしています。

大統領は、対談そのものに集中するはずです。

それが、仕事ができる人の行動です。

仕事ができる人ほど「仕事の中身」に集中します。

英語は1つの評価になりますが、英語ができるからとはいえ仕事に直結するわけではありません。

英語力が直結する仕事は、通訳家と翻訳家くらいです。

日本ではコンビニで働く外国人を見かけますが、日本語が話せるからとはいえ、それだけで高く評価されているでしょうか。

語学はできて、当たり前と思います。

語学ができるだけで、店長や社長になれるという現実はありません。

しかし、語学はできなくても、仕事ができれば、店長や社長になれるという現実はあります。

英語力は1つのバロメーターにはなりますが、仕事がどのくらいできるのかを正確に表現はできません。

「語学ができるか、できないか」より「仕事ができるか、できないか」です。

仕事ができれば、語学に少々自信がなくても、必ず昇進できます。

大手の英会話学校、各種英語関係では、やたらTOEICの高得点を強調します。

TOEICのスコアが上がれば、年収も地位も上がり、夫婦円満、幸せになれ、すべてがうまくいくかのように思わせます。

たくさんの人たちに英語を勉強させるように仕向け、英語教材の売り上げを伸ばそうとしています。

TOEICの数字が、すべてを表現しているわけではない現実に気づくことです。

数字のトリックを見破る方法(16)
  • 英語のスコアは、仕事ができる数字ではない事実に気づく。
お金持ちほど、けちである。

数字のトリックを見破る30の方法

  1. 数字のトリックに騙されるな。
  2. 安くなったのではない。
    初めからその価格なのだ。
  3. 4桁と3桁の違いに、騙されない。
  4. 賢い消費者は、値段を四捨五入して考える。
  5. わざと期間を書かない期間限定サービス。
  6. ポイント制に、得はない。
  7. 平凡な消費者は「値段→必要性」の順で考える。
    賢い消費者は「必要性→値段」の順で考える。
  8. 数字で考えると、ウエイターが1人しかいない理由が見えてくる。
  9. クレジットカードを使うことで、数字がわからなくなる。
  10. 「無料」という甘い言葉を信じると、損をする。
  11. 「送料は当社が負担」は、送料を商品に上乗せしているだけ。
  12. 同じ効果でも、選択によって大幅な節約ができる。
  13. 数字で考えれば、真実が見えてくる。
  14. 安くなったパーセンテージではなく、金額を見る。
  15. 実績だけを見ていると、騙される。
    どのくらいの期間での実績かを考える。
  16. 英語の結果は、仕事の結果ではない。
  17. お金持ちほど、けちである。
  18. どんなに安くても、価値を感じないところにお金を使わない。
  19. 世の中に、本当の無料メディアはない。
  20. 給料の安さが、あなたに知恵を振り絞らせる機会を与える。
  21. ウインドーに張り出されている優良物件は、客引きである。
  22. 節約のために、自炊が一番とは限らない。
  23. 購入後の維持費の計算を、忘れていませんか。
  24. 金額が大きくなると、金銭感覚が鈍くなる。
  25. 試験結果の90点は、ほぼ100点と考えていい。
  26. 「喫煙者の24時間」は「禁煙者の24時間」以下である。
  27. 金銭感覚を養うためには、1万円札1枚より、1,000円札10枚のほうがいい。
  28. 量は同じでも、単位を変えてしまうだけで、印象が変わってしまう。
  29. 人間は、切りのいい数字が好き。
  30. 言葉の表現を変えるだけで、印象が変わってしまう。

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