「この商品は1万件の実績があります!」
よくある、誇大広告の例です。
少し大げさに書かれている広告は、素人の消費者でもわかります。
しかし、1万件の実績という数字を見ると「やはりそれなりにいい商品なのだろうな」と考え直してしまいます。
しかし、ちょっと待ってください。
実績というのは「どのくらいの期間における実績なのか」ということを、考慮し忘れていませんか。
誇大広告のうまいところは、どのくらいの期間のことかを明確に記載されていないところです。
書き忘れているのではなく、わざと書いていません。
その商品がどのくらいの期間にわたって売れた実績なのかを、計算に入れて、事実を見抜かなければ、現実は見えてきません。
私たちは「1万件の実績」という広告を見ると「すごい実績だ」という印象を受けます。
1つ、例を挙げます。
「1万件の実績」というのが、もし「過去50年間で1万件の実績」のことだとすれば、どうでしょうか。
過去50年で1万件ということは、1年間の実績は、200件の実績になります。
10000(件)÷50(年)=1年で売れた数200(件)
1年は365日ですから、200件を365日で割ります。
すると、1日で売れた数がわかります。
200(件)÷365(日)=1日で売れた数0.5(件)
ほら、そうすれば、現実が見えてきます。
1日に、たった1件売れるか売れないか程度の商品ということがわかります。
1日に1つ売れるか売れないかという程度なら、大したことはありません。
大して人気のない商品だという、本当の現実がわかりますね。
実績は「どのくらいの期間の実績なのか」という部分をきちんと考えましょう。
曖昧な言葉を使っている場合は、無視して結構です。
知られてはまずいから、あえてふせています。
店側は、少しでも消費者に大きなインパクトを与えようと、数字のトリックを巧みに操ります。
「過去50年で1万件の実績!」と正直に言わず「1万件の実績!」とだけ表現します。
大きな数字を見た消費者の気持ちが高ぶり、売り上げアップにつながる仕組みです。
実績だけを見ていると、騙されます。
商品を購入するときには、どのくらいの期間での実績かを、きちんと考える習慣を持ちましょう。