執筆者:水口貴博

数字のトリックを見破る30の方法

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賢い消費者は、値段を四捨五入して考える。

賢い消費者は、値段を四捨五入して考える。 | 数字のトリックを見破る30の方法

「989円」という値札があります。

あなたなら、どんな印象を持ちますか。

もしや、ぱっと見た印象から、989円を900円と考えていないでしょうか。

実は、店側は、本当は1,000円で売りたいところを、わざと989円と書き直しています。

理由は当然、売り上げを伸ばしたいからです。

では、なぜ売り上げが伸びるのかをご説明します。

人間は、常にいつも「だいたい」で考える癖があります。

脳は「だいたいで考える」という癖があります。

目に飛び込んでくる情報を、すべて正確に捉えていると、脳への負担が大きくなるからです。

もはや、人間の本能といっても過言ではありません。

ゆえに人間は、頭に9がつくから、989円ではなく900円と大雑把に考えてしまいがちです。

さらにこれだけではありません。

1,000円は4桁であり、989円は3桁です。

4桁と3桁では、見た目が明らかに違いますし、印象がまったく変わりますね。

3桁までなら許せる金額ですが、4桁の数字になった瞬間から、急に高額商品になった感じがあります。

また余談ですが、3桁の数字では「,」がつきませんが、4桁の数字では「,」がつきます。(例:800円1,000円)

「,」が加わる分、価格表示が横へ長くなり、値段も急に高くなった印象に変わります。

3桁に書き直した値札にすると、安い印象が強くなるため、結果として売り上げが上がります。

つまり、11円の損額があっても、ぎりぎり3桁の値段のほうが4桁で値段を提示するより、儲けが大きくなります。

大雑把に考えるところが、人間の長所でもあり、短所でもあります。

売る側は、人間の「だいたいに考える」という心理を巧みに操り、売り上げアップに利用します。

少しでも消費を伸ばそうと、そういう数字のトリックを使います。

もちろん3桁のほうが安いのですが、数字をしっかり見てみましょう。

989円と1,000円では、差額がたった11円です。

四捨五入して考えれば、どちらも同じ金額になります。

しかし、ぱっと一目見た印象では、989円のほうが安く感じてしまうのです。

賢い消費者は、四捨五入をして計算をします。

四捨五入すれば、数字の事実が見えてきます。

989円という値札があっても、四捨五入して1,000円と考えることができます。

ぱっと見た印象が違っていても、四捨五入すれば同じ金額になるので、騙されることがなくなります。

あなたも四捨五入して考える習慣を今すぐ身につけましょう。

騙されない賢い消費者は、値札を四捨五入して考えるのです。

数字のトリックを見破る方法(4)
  • 値段は、四捨五入して考える。
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数字のトリックを見破る30の方法

  1. 数字のトリックに騙されるな。
  2. 安くなったのではない。
    初めからその価格なのだ。
  3. 4桁と3桁の違いに、騙されない。
  4. 賢い消費者は、値段を四捨五入して考える。
  5. わざと期間を書かない期間限定サービス。
  6. ポイント制に、得はない。
  7. 平凡な消費者は「値段→必要性」の順で考える。
    賢い消費者は「必要性→値段」の順で考える。
  8. 数字で考えると、ウエイターが1人しかいない理由が見えてくる。
  9. クレジットカードを使うことで、数字がわからなくなる。
  10. 「無料」という甘い言葉を信じると、損をする。
  11. 「送料は当社が負担」は、送料を商品に上乗せしているだけ。
  12. 同じ効果でも、選択によって大幅な節約ができる。
  13. 数字で考えれば、真実が見えてくる。
  14. 安くなったパーセンテージではなく、金額を見る。
  15. 実績だけを見ていると、騙される。
    どのくらいの期間での実績かを考える。
  16. 英語の結果は、仕事の結果ではない。
  17. お金持ちほど、けちである。
  18. どんなに安くても、価値を感じないところにお金を使わない。
  19. 世の中に、本当の無料メディアはない。
  20. 給料の安さが、あなたに知恵を振り絞らせる機会を与える。
  21. ウインドーに張り出されている優良物件は、客引きである。
  22. 節約のために、自炊が一番とは限らない。
  23. 購入後の維持費の計算を、忘れていませんか。
  24. 金額が大きくなると、金銭感覚が鈍くなる。
  25. 試験結果の90点は、ほぼ100点と考えていい。
  26. 「喫煙者の24時間」は「禁煙者の24時間」以下である。
  27. 金銭感覚を養うためには、1万円札1枚より、1,000円札10枚のほうがいい。
  28. 量は同じでも、単位を変えてしまうだけで、印象が変わってしまう。
  29. 人間は、切りのいい数字が好き。
  30. 言葉の表現を変えるだけで、印象が変わってしまう。

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