生きている時間は、無限ではありません。
有限です。
若いころは、今の状態が永遠に続くような気がします。
しかし、どんな人にも必ず「死」というゴールが、最後に待ち受けています。
死という言葉には、悲しく暗い印象が伴っていますが、宇宙から見れば、人が死ぬことは当然のサイクルなのです。
すべての物質には「始まりと終わり」という法則が当てはまります。
例外はありません。
人間だけではありません。
地球や太陽、太陽系や銀河系にも、終わりがあります。
星というレベルにも、始まりがあれば、終わりがあるのです。
このように物質として誕生した物体には、すべてに「終わり」は共通しています。
終わりとは、死のことです。
若いときには、この「死」をあまり意識しませんが、意識はしておいたほうがいい。
意識しておかないと、人生をうまく走れなくなってしまうからです。
フルマラソンと同じです。
マラソンで、ゴールを知らずして走り始めるとどうでしょうか。
ゴールは、どのくらい先にあるのかわからないと、うまく走れなくなります。
ゴールがどのくらい先かわからないことには、ペースをどう調整すればいいのかも、わかりませんね。
ゴールがわからなければ、ペースの調整や体力のコントロールだけでなく、精神面のコントロールも何もかも、難しくなります。
マラソンは、ゴールをしっかり意識しているから、うまく走れるのです。
人生でも、また同じです。
死というゴールを意識しないと、人生をうまく走れなくなります。
お金、進学、仕事、結婚、老後といったテーマを、調整できるようになります。
たしかに誰も死を考えたくない。
死ぬのは、私だって嫌です。
しかし、死を意識しないと、ゴールを知らないマラソンのように、うまく走れなくなってしまうのです。
「自分はこのくらいで死ぬだろうな。自分はこのテーマで人生を走りたい。そのためには学ぶことが必要で、こんな勉強が必要」
死を意識して、初めてそうした計画を立てることができるようになるのです。
ゴールは目を背けるべきテーマではありません。
逆です。
むしろ目を向けるべきテーマなのです。
死と真っ向から向き合う人が、人生を上手に生きることができるようになるのです。