転んで、膝を擦りむいても、しばらくすれば皮膚が再生し、やがて元どおりになります。
体は出血を抑えるためにかさぶたを作り、細胞分裂を繰り返して、皮膚を再生させます。
自然治癒力は、体にもともと備わっている「元に戻ろうとする力」の1つです。
水を飲まなければ、喉が渇き、水が欲しくなる欲求も「元に戻ろうとする力」の1つです。
体に潤いを戻そうとしている力です。
「水が足りません。至急、水を補給してください。そうしないと病気になりますよ」という警告を、体が教えてくれています。
喉が渇いたときには、素直に水を飲みましょう。
喉が渇いたときに水を飲むと、元気になります。
眠くなるという生理的現象も「元に戻ろうとする力」の1つです。
勉強や仕事をして疲れ、夜になると自然に眠くなります。
それ以上、起き続けていると、体にとって毒になります。
「そろそろ休憩しなさい」と疲れきった体を、元の健康の状態へと戻そうとします。
眠いときには、素直に寝るのが一番。
十分に睡眠を取り、疲れが解消されれば、朝にはすっかり元気を取り戻しています。
私はアメリカ留学の最中、いつも日本のことを考えていました。
アメリカにいるのですから、アメリカのことばかりを考えていそうですが、不思議と日本のことのほうが気になりました。
日本の家族、友人、恋人、日本の環境、日本の音楽ばかりが気になり、神様からの警告のようでした。
「あなたはアメリカにいるべきではない。日本に戻りなさい」
聞こえない言葉が聞こえてくるように、私を元の場所へと戻そうとする力でした。
その後、素直に自分の気持ちに従い、日本へと帰国します。
アメリカにいるときには不安定でしたが、日本に帰った瞬間から落ち着きを取り戻し、身も心も安定し、元気を取り戻しました。
「元気」という漢字は「元の気」と書きます。
元気になるとは「元の気に戻ること」です。
元に戻ったとき、人は、元気になります。
元気になるためには、出すのではなく、戻せばいいのです。
元に戻ろうとする力は、自然の力、神の力、宇宙の力です。
物を上へと投げれば、地面に向かって落ちてくるのは、宇宙の力が働いている証拠です。
今手元にある、ボールペンでも消しゴムでも何でもいいですから、上に投げてみましょう。
地面に向かって落ちてしまいますよね。
目には見えませんが、見えない力が働いていることは、たしかです。
目には見えない力が働いていることに、気づきましょう。
目に見えることだけを信じてしまいがちですが、本当に大切なことは目に見えないことなのです。
私たちは、宇宙の中にいるのですから、宇宙の法則に従うことが必要です。
宇宙のリズムに合わせなければいけない。
元に戻ろうとする力は、宇宙の力の1つです。
法則に無理に逆らって生きようとすると、大変な思いをすることになるのです。