人の仕事を「あんなの簡単。誰でもできる」と切り捨てる人がいます。
「警備員の仕事なんて簡単だ。立っているだけで誰でもできる」
「清掃員の仕事なんて簡単だ。別に資格は必要ないから誰でもできる」
「保育士なんて簡単だ。専門の学校を卒業すれば、誰でもできる仕事だ」
従事者本人が発言するならまだいいのです。
従事者は現場の詳しい実情を知っているので参考になります。
身をもって業務している本人であれば、発言にも重みがあり、説得力もあります。
従事者が「簡単で誰でもできる」と語るなら、聞いた相手も「なるほど」と納得できるでしょう。
しかし、実際に従事したことがなければ、切り捨てる発言は要注意です。
「あんなの簡単。誰でもできる」という一言は、切り捨てる一言です。
想像だけで安易に発言していることがわかります。
人の仕事を軽く考えているだけでなく、見下していることもわかります。
事実だとしても、従事したことのない人が口にすると「この人はわかっていない」「思慮が足りない」と軽く見られます。
思慮が浅く、視野が狭いことを公言しているようなものです。
リーダーや指導者の立場の人が発言すれば、幻滅されるのは確実です。
「この人に協力したい」「この人についていきたい」と思われなくなるでしょう。
その仕事に従事している本人が耳にすれば、大きなショックを受けて気分を害するはずです。
人を傷つけるだけでなく、人間関係のトラブルに発展する可能性があります。
資格や免許があろうとなかろうと関係ありません。
資格や免許が必要ない仕事だとしても、その仕事なりの苦労があります。
慣れやスキルが必要だったり、根気や忍耐力が要求されたりすることもあるはずです。
軽く見る人は、軽く見られます。
それが世の中です。
心の中で思ったとしても、実際に口に出して言わないのが賢明です。